NTTドコモは10月26日、2013年3月期第2四半期(4~9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比4.5%増の2兆2073億2000万円、営業利益は同7.4%減の4711億900万円、純利益は同4.4%減の2858億8400万円となった。
携帯電話収入において、「月々サポート」やMOU(月間利用時間)の減少などにより音声収入は1339億円減少したものの、スマートフォンの積極的な販売により、パケット通信収入は691億円増加した。その他、新領域事業の拡大や、ケータイ補償お届けサービスの契約増、端末機器販売収入が増加したことなどにより増収につながった。
第2四半期のスマートフォンの販売台数は395万台で、上期の販売台数は644万台となった。ドコモでは通期のスマートフォン販売目標として1300万台を掲げていたが、販売が好調であることから、これを1400万台に上方修正する。また、第2四半期の販売シェアは55%となっており、NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は「ラインアップを充実しながら販売では確かな手応えを得ている」と自信を見せる。
個別の販売台数としては、6月28日に発売された「GALAXY S III SC-06D」が発売後3カ月で約80万台、8月1日に発売された「らくらくスマートフォン F-12D」が発売後3カ月で約30万台を販売しており、冬モデルでさらにラインアップを拡充し、販売台数を拡大していきたいとした。
MNP(携帯電話番号ポータビリティー)については、9月21日にKDDIとソフトバンクモバイルから発売された「iPhone 5」に一定の影響を受けたとする一方で、「10月もきっちりと様子をみたいと思うが、11月に投入しはじめる新モデルはさらにパワーアップするので、これに料金施策やプロモーションなどで対処していきたい」(加藤氏)とした。
LTEサービス「Xi」の契約数は620万契約で、通期で1100万契約を目指す。また、想定を上回る進捗であることから2015年度の目標である3000万契約を4100万契約まで引き上げたいとした。
ドコモ直営のコンテンツストアである「dマーケット」も順調に推移している。2011年11月にサービスを開始した「VIDEOストア」は10月時点で280万契約を突破。通期で400万契約を目指す。また、11月下旬にゲームサービス「dゲーム」、12月中旬にコマースサイト「dショッピング」などを開始することで、dマーケット全体の売上を2015年度には1000億円規模まで拡大したいとした。
ドコモは、コマースや金融・決済、ヘルスケアといった、モバイルとシナジー効果の高い産業やサービスを提供する企業との協業によって、新たな価値や市場を創造するための取り組みも行っている。この新領域事業では通期において5200億円の収入が見込めるとしており、2015年度は1兆円を目指したいとした。なお、同日には新たに起業支援プログラムを開始することも発表している。
先日話題になったソフトバンクによるSprint Nextelの買収については「規模を追求するんだろうなという気がする。また環境として円高などの背景もあると思う。ドコモとしてはやはり日本の顧客のサービスとシナジーがあったり、日本発のサービスとして海外に向かうようなプラットフォームを中心にやっていきたい」とコメント。ただし、これまでと同様に機会があれば海外へも投資していきたいとした。
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