Mozillaには4億人を超えるFirefoxユーザーがおり、検索適合性に問題はない。また、同非営利組織は米国時間11月15日、2011年の売上高が33%増加して1億6350万ドルとなったことを発表し、資金面でも問題がない。
しかし、モバイル面では問題を抱えている。
Mozillaを率いるMitchell Baker氏はそのように結論付けた。Mozillaは、独自技術による制約からインターネットの自由を維持する目的でオープンソースのウェブブラウザや他のプロジェクトに取り組んでいる。ちょうど8周年を迎えた「Firefox」は、インターネットをオープンに保つためにMozillaが使用している主要ツールだ。しかしFirefoxは、急速に成長しているスマートフォンやタブレットといったモバイルの世界では大きく出遅れている。
「われわれはモバイルエコシステムの現状を最も懸念している」とBaker氏は述べた。Mozillaはフルブラウザ技術を「iOS」や「Windows Phone」、「Windows RT」に組み込むことができず、ユーザーはPC上でウェブブラウザを用いて行うことをモバイルデバイスでは専用アプリを使用して行っている。
「モバイルデバイスはハードウェアやソフトウェア、ユーザー体験に多様性があり、その現状は閉鎖的だ。ウェブの自由さの多くが損なわれている」とBaker氏は述べた。「モバイルの世界ではわれわれの影響力が小さく、コンピューティングの時代はますますモバイルの方向に進んでいる」(同氏)
Mozillaの資金の大半は、Google、Bing、Yahoo、Yandex、Amazon、eBayといったパートナーと共有している検索広告の売上から得られる。「そのほとんどはGoogleからのものだ」とBaker氏は述べている。Firefoxの検索ボックスを使用した検索によって、いずれかのパートナーサイトで検索広告の収入が発生した場合、パートナーはその収入の一部をMozillaに支払う。
Mozillaは2011年12月にGoogleとの間で今後3年間の検索に関する契約を更新した際、ロシア語版のFirefoxにおける検索をロシアの検索エンジンである「Yandex」からGoogleに乗り換えた。Yandexは、MicrosoftのBingのように、ユーザーが選択できるオプションとして残る。
Mozillaが15日に発表した税務関連の財務諸表や年次報告書によると、Mozillaの売上は2010年から2011年にかけて33%増加したが、人件費や他のコストによって支出も押し上げられたという。2010年の支出は8730万ドルだったが、2011年には1億4550万ドルに増加している。これにより、各事業からの純キャッシュフローは2170万ドルから1340万ドルに減少した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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