PFUは11月12日、個人向け文書スキャナ「ScanSnap」シリーズの新製品「ScanSnap iX500」を発表した。11月30日から発売する。オープン価格だが、同社オンラインショップ「PFUダイレクト」では4万9800円で販売する。
今回のiX500は、同製品シリーズの新旗艦モデルであり、2009年2月から発売している「ScanSnap S1500/S1500M」の後継機種になる。新しく開発した画像処理エンジン「GI」プロセッサを搭載しており、カラー300dpiでの1分間の読取速度は、S1500/S1500Mの20枚40面より25%向上して、25枚50面となっている。iX500では、同社の業務用イメージスキャナ「fi」シリーズの給紙技術を活用して、ScanSnapとしては初めてのブレーキローラでの原稿分離方式を採用している。
ブレーキローラを活用することで給紙性能を向上させると同時に、耐久性も上げている。S1500/S1500Mのパッドユニットの交換周期は約5万枚だったが、iX500のブレーキローラの交換周期は約20万枚となっている。S1500/S1500Mにも搭載されている超音波センサ方式による、マルチフィードセンサでスキャニングする文書の紙の重なりを検知して、安心して大量の原稿をスキャンできるようになっている。
iX500では「読み取りモードオプション」に両面原稿の裏写りを軽減する機能も追加されている。例えば、裏面の写真や文字が背景に写りこむといったことが軽減されるようになった。
PCとのUSB接続に加えて、PCを経由せずに、製品単独でスマートフォンやタブレットにイメージデータをWi-Fiで転送できるようになっている。スキャンした原稿を直接スマートフォンやタブレットにPDF方式で保存されるため、メモ用紙やちょっとした原稿をデジタルカメラの感覚でイメージデータとして取り込めるとメリットを強調している。Wi-Fiでの直接転送には、11月30日から提供予定のアプリ「ScanSnap Connect Application」の最新版が必要になる(iOS版とAndroid版の両方が用意されている)。
ソフトウェア面では、スキャンしたイメージデータの活用方法を簡単に選択できるクイックメニューに「お気に入り」「おすすめ」機能も搭載されている。お気に入り機能では、表示する連携アプリケーションや連携できるクラウドサービスを簡単にお好みの状態で表示できるようになっている。
名刺やレシートをスキャンした場合、クイックメニューの中から名刺やレシートに関連するアプリケーションを自動で推奨表示するのが、おすすめ機能になる。読み込んだ原稿の種類、よく使う機能にあわせたクイックメニューが表示されるので、迷わずに使うことができるという。
ix500では、スキャンと光学文字認識(OCR)を並列処理できるようになっており、PDFの文字を検索可能な状態にする処理の読取時間が従来製品よりも45%短縮できるようになっている。検索可能なPDFをそのまますぐにクラウドサービスやアプリケーションで活用できるようになるとメリットを説明している。
搭載される名刺管理ソフトウェアは「CardMinder」に刷新、統合されている。CardMinderはWindowsとOS Xに対応、日本語のほかに英語や中国語(簡体字や繁体字に対応)など11の言語の名詞を読み取ることができる。名刺管理ソフトウェアは、従来だとWindows向けのS1500が「名刺ファイリングOCR」、Mac向けのS1500MがCardMinderと分けられていた。
今回のiX500では、文書ファイリングソフトウェア「楽2ライブラリ Smart V1.0 with Magic Desktop V1.0」を同梱したセットモデル「ScanSnap iX500 Deluxe」も販売される(PFUダイレクトでの価格は5万4800円)。従来機に、同ソフトウェアを同梱した「ScanSnap S1300i Deluxe」(PFDダイレクト価格3万2800円)「ScanSnap S1100 Deluxe」(同2万2800円)は11月16日から販売される。
楽2ライブラリ Smartでは、Wi-Fi経由で持ち出したデータにiPhone/iPad上でコメントを追加して、PC上の楽2ライブラリ Smartに戻すといったことができるようになる。SugarSyncやDropboxといったクラウドサービスにデータを転送すれば、どこでもiPhone/iPad上で部屋での書棚を閲覧できるという(11月16日から無料で提供されるアプリ「楽2ライブラリ Smart for iOS」が必要)。
Magic Desktopは、ScanSnapから取り込んだデータやイメージファイルを、机をイメージした作業スペースで整理、編集するソフトウェア。グループごとにデータを分類することで、作業をスムーズに進められるとメリットを強調。Facebookと連携したコミュニケーション機能を活用すれば、データをグループ内で共有するといったことも可能だ。
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