Appleは2012年度に研究開発費を増加させたが、その額は全体の支出のほんの一部にとどまっている。
Appleが米国時間10月31日午後に米証券取引委員会に提出した年次報告書によると、同社は2012会計年度に研究開発に34億ドルを費やしたという。これは、前年比9億5200万ドル、39%の増加であった。
費用は増えたものの、同社が研究開発に費やす額は、全体の売上高と比べると微々たるものだ。Appleの2012年の集計によると、その割合は2011年度同様2%にとどまっている。
Appleの研究開発費は長年注目を浴びてきた。その額が競合他社に比べてかなり低いことが大きな理由だ。例えば、Microsoftは2012会計年度に98億ドルを費やし、Googleは2011会計年度に52億ドルを費やしている。
「研究開発への集中投資が、将来の成長と市場での競争力ある地位のために重要であり、自社のコアビジネス戦略の中心となる新製品や改良された製品をタイムリーに開発することに直結すると(当社は)確信し続けている」とAppleは提出書類に記した。また「このため、当社は競争力を維持するために研究開発にさらなる投資を行うつもりだ」とも記している。
そのうちの1つが、クパチーノの新しい本社の一部として、現在の研究開発施設を拡張する動きだ。Appleが2015年までに承認と完成を目指しているこのプロジェクトでは、30万平方フィート(約2万8000平方メートル)の研究施設が追加される予定だ。Appleが2011年に提出したこのプロジェクトの完成予想図には、地上と地下の複数の施設が示されていた。
Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏が2012年4月に、アナリストらが参加した業績発表の場で、他社はもう少し独創性を持つべきだと述べて、競合他社を驚かせたのは有名だ。係争中の訴訟に関する質問への回答としてCook氏は、「Appleは世界の開発者になる」のではないことを明確にしたいと述べ、「独自性のあるものを発明できる人々が必要だ」と付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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