Appleは、同社のモバイル向けOS上で動作する組み込みの地図アプリケーションに関する特許を取得した。
米特許商標庁(USPTO)によって認められた、「地図や道案内、位置に基づく情報の提供を目的とする、タッチスクリーンを用いたデバイスや手法、GUI」と題されたこの特許は、その名称から想像できるように、地図や道案内、位置に基づく情報を、タッチスクリーンを装備したデバイス上に表示する方法に関するものとなっている。
なお、同特許の取得を最初に報じたのはAppleInsiderであった。
Appleの特許の中核は、実際に地図アプリケーションを使用する際のエクスペリエンスの向上にあるようだ。同社の特許では、GPS機器で採用されているユーザーインターフェースにまつわる問題が描写されており、そういったインターフェースには「柔軟性にも欠ける物理的なプッシュボタンが含まれる」と説明されている。
Appleは特許において「携帯電話向けの地図アプリケーションというものが存在している(例えば、モバイル機器向けにwww.google.com/gmmで提供されているGoogleの地図)。しかし、既存の携帯電話に備えられている物理的なプッシュボタン(例えば、物理キーボード上の数字キー)やタッチスクリーンを用いてそういったアプリケーションを操作することは、たいていのユーザーにとって煩わしく感じられる。このため、携帯電話やその他のモバイル機器で地図アプリケーションを使用するユーザーの数は比較的少ないというのが現状である」と説明している。
Appleがこの特許を出願した2008年にはまだ、GarminやTomTomといった企業が、物理的なボタンを押して操作する携帯型のGPS機器を大量に販売していた。
同社はこの特許において、主にタッチスクリーンとユーザーの指を用いたインターフェースデザインにより、操作の直感性をどのように向上させられるかについて説明している。
ただし、最も興味深いのはおそらく、Appleが過去数年間にわたってGoogleの地図サービスを組み込みアプリケーションとして使用してきたにもかかわらず、特許を勝ち取ったという点だろう。Appleが自社独自の組み込み地図アプリケーションである「Maps」に切り替えたのは2012年になってからのことだ。
この切り替えは、AppleのMaps上で数多くの間違いや、情報の欠如に遭遇した多くのユーザーの怒りを買うことになった。同社は改善を約束したものの、「Google Maps」に比べると現時点ではまだ多くの面で見劣りがする。
Mapsに関連したこの特許以外にも、Appleはここ数週間で次々と知的財産を増やしている。実際のところ、米国時間10月23日にも、同社が34件の特許を取得したことが明らかになっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス