FAQ:ソフトバンクによるSprint買収--米国から見た背景と今後 - (page 2)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年10月18日 07時30分

--今回の買収はSprintのサービスにどのような影響を及ぼすのか。Sprintはなくなってしまうのか。

 これから数カ月の間、Sprintのサービスに変更がないことは確かである。なぜなら、買収手続きは2013年中頃まで完了しない見通しで、規制当局の承認も必要だからだ。手続きが完了するまで、Sprintは単独で独立した企業として振る舞わなければならない。

 手続きが完了した後も、劇的な変化はないはずだ。なぜならソフトバンクはSprintに対して、米国市場で競争するための計画を実行し続けてほしいという意向を持っているからだ。顧客が携帯電話やプランの変更を余儀なくされることはないだろう。

 2つめの質問に対する答えはノーだ。今回の買収の結果として、Sprintがなくなることはない。前述したように、Sprintは現在の経営チームの下で事業を継続する。

 実際のところ、Sprintの顧客はいずれ、今回の買収がもたらす恩恵に浴することができるようになるだろう。

--どのような恩恵があるのか。

 ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は米国のワイヤレス速度に批判的であり、Sprintのネットワーク配備への取り組みの加速を求める可能性がある。それはSprintの顧客にとって朗報以外の何物でもないだろう。同社顧客はこれまで、ライバルのVerizonやAT&Tの顧客が大都市でより包括的な4G LTEサービスの提供を受けるのを見てきた。

 Sprintが4G LTEを配備しているのは24の市場のみであり、その多くは小規模な市場だ。ニューヨークやサンフランシスコのような大都市にはまだ進出しておらず、数カ月以内にサービスをロールアウトすると確約しているだけである。それは、今週400市場を突破したVerizonに比べると、微々たるものである。

 つまり、「iPhone 5」や「GALAXY S III」といった最新の4Gスマートフォンを所有するSprint顧客の大半は、低速な3Gネットワークを今でも利用しなければならない。Sprintは同社最新デバイス向けの4G標準としてのWiMAXをほぼ放棄したからだ。

 今回の現金注入は、Sprintがネットワーク強化を加速させ、サービスエリアをさらに拡大および改良する助けになるはずだ。同社の「Network Vision」計画は3Gと4Gの両方のサービスを改善することを目指している。それは、全体的なサービスの向上につながるはずだ。

 その一方で、ソフトバンクは日本のさまざまなモバイルデバイスを米国にもたらすかもしれない。そして、Sprintの顧客はスマートフォンやタブレットに関して、より幅広いオプションを利用できるようになる可能性がある。

 もちろん、これらすべてが実現するまでには時間がかかる。たとえ2013年にこの買収が承認され、手続きが完了したとしても、こうした恩恵のいくつかが現実のものになるまでには、少なくとも数カ月が必要だろう。

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SprintのCEOであるDan Hesse氏と同社幹部は支援を必要としていた。
提供:Roger Cheng/CNET

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