iPhone 5の目玉となる新機能がLTEによる高速通信だ。ソフトバンクの通信速度は、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsとなっている。auは、現在は下り75Mbps、上り25Mbpsとソフトバンクと同じだが、2013年にはさらに高速化し下り最大112.5Mbpsになることが予定されている。
また、iPhone 5のネット接続を外部機器で利用できるテザリングサービスもアナウンスされている。現在、Android搭載スマートフォンではテザリングできる機種も多いが、iPhoneではOS自体にはテザリング機能を搭載しているにもかかわらず、日本仕様のモデルでは機能が制限されていた。
筆者は、Wi-Fi版のiPadを使っているためテザリングが可能になれば同機を持ち歩けるようになるほか、ノートPCなども外で利用できるようになるので、テザリングサービスには期待している。なお、テザリングについてソフトバンクは当初2013年からサービスを開始する予定だったが、2012年12月15日へ前倒しすることが発表されている。
筆者は東京都多摩市在住だが、ワクワクしながらiPhone5を開封してみると、残念ながら表示はソフトバンクもauも3Gのまま。目の前に置いたまま仕事をしていると、時々ソフトバンクはLTEの表示がされるも、アンテナは多くても2本程度。auにいたっては使用期間中、自宅でLTEの表示がされたことは一度もなかった。
外に出る用事があったので、3世代分のiPhoneを持ってでかけた。速度計測にはiPhone 4S発売時にも使用した「SPEEDTEST.NET」アプリを使用することにした。このアプリでは下り、上りの速度を計測できるほか、サーバとの反応速度を計測するPINGの計測にも対応している。また、SPEEDTEST.NETはその計測値を一覧表にして表示でき、ログをCSVとして出力する機能も持っている。
外出先ではソフトバンクはLTEマークが頻繁に表示されるも、auでは頻度は10分の1といった印象。転送速度については、ソフトバンク版で下り最大30.6Mbps、上り最大9.9Mbpsとなったのに対し、au版では下り最大16.6Mbpsとだいぶソフトバンクを下回る数値となったものの、上りはソフトバンクを上回る最大11Mbpsとなった。
平均ではソフトバンクは下り9.5Mbps、上り4.3Mbps、auは下り6.6Mbps、上り4.3Mbpsとなり、下りではソフトバンクの後塵を拝してしまっている。auには今後の電波状況改善を望みたい。
ソフトバンク | au(2.1GHz帯) | |||||
受信 | 送信 | PING | 受信 | 送信 | PING | |
最大値 | 30.6Mbps | 9.9Mbps | 69ms | 16.6Mbps | 11Mbps | 73 |
平均値 | 9.5Mbps | 4.3Mbps | 106ms | 6.6Mbps | 4.3Mbps | 100 |
※計測値は、さまざまな場所で計測した総合値であり、3GとLTEの計測値を含む。ソフトバンクは36回、auでは47回の計測値の平均値。
ソフトバンク | au(2.1GHz帯) | |||||
受信 | 送信 | PING | 受信 | 送信 | PING | |
東京都多摩市 | 14.6Mbps | 8Mbps | 76ms | 4.7Mbps | 1.8Mbps | 165ms |
東京都品川区 | 12.1Mbps | 5.8Mbps | 75ms | 6.7Mbps | 5.2Mbps | 91ms |
東京都渋谷区 | 13.9Mbps | 7.1Mbps | 76ms | 9.8Mbps | 8.8Mbps | 78ms |
※こちらは、それぞれ同じ場所で5回計測した値の平均値。
なお、参考値として自宅の無線LAN環境で計測したところ、平均値で下り17Mbps、上り23Mbpsという結果が出た。この結果と比較すると、LTEでの最大速度はソフトバンク、auともに自宅の無線LAN環境並みの速度ということになる。ともに早期の電波の充実を期待したい。
また、テザリングはiPhone内では「インターネット共有」機能として搭載されている。インターネット共有は、Wi-Fiでできるほか、BluetoothとUSBケーブル接続でも利用できる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
開発経験ゼロからのローコード開発で
医療ニーズに応えた病院向けシステムを構築