Steve Jobs氏は周囲の人々に強い印象を残した。Forbes誌の最新号では、その中の何人かが同氏の印象について語っている。
Jobs氏との出会いにまつわるエピソードはどれも好奇心を書き立てられる。これは同氏の多面的な性格によるところが大きい。
Appleを率いていたJobs氏の死去から米国時間10月5日で1年となるのにあたって、Forbes誌は、友人や同僚が語る同氏の「秘話」をいくつか掲載している。
ウェブブラウザ開発の第一人者で、現在はベンチャーキャピタリストであるMarc Andreessen氏は、2006年にJobs氏が初代「iPhone」のプロトタイプを見せた時のことを語った。iPhoneをひとしきり触ってみた後にAndreessen氏は、物理キーボードがなく、スクリーン上でタイピングするとなると、ユーザーは困るのではないかとJobs氏に質問した。Jobs氏は鋭い目付きになり、「そんなことには慣れる」とだけ言った。
Jobs氏とNeXTのソフトウェアエンジニアのRandy Adams氏はかつて、ポルシェをそれぞれ所有していた。NeXTがベンチャーキャピタルを探していたころだ。ある日Jobs氏はAdams氏に、2人ともポルシェを隠さなければならないと言った。Adams氏が理由を尋ねると、NeXTへの投資を検討していたRoss Perot氏が立ち寄る予定だからだという。Jobs氏としては、NeXTには金があるとPerot氏に思われたくなかったのだ。1987年にPerot氏は同社に2000万ドルを投資しているので、Forbes誌はポルシェを隠したのが功を奏したに違いないとしている。
冷たいイメージで見られることの多いJobs氏だが、優しい面もあり、困っている人を助ける方法を本能的に知っていたようだ。
ベンチャーキャピタリストのHeidi Roizen氏は、父親が亡くなったことを出張先で知らされた時の話をした。Jobs氏が取引について協議しようと電話をかけてきたため、Roizen氏は父親が亡くなったことを伝えた。Jobs氏はすぐに、家に帰るようにとRoizen氏に告げ、自分もまもなくそちらに行くと言った。
Roizen氏によれば、Jobs氏は数時間にわたり、Roizen氏に父親の話をさせて、悲しみを分かち合ったという。Jobs氏の母親が数カ月前に亡くなっていたので、特に「私がどう感じていて、何について話す必要があるのかを分かっていた」のだとRoizen氏は考えている。「私が悲しみに浸る中、彼がどれほど素晴らしい助けになってくれたかを、いつまでも忘れず、感謝する」(Roizen氏)
Jobs氏についてのそのほかの回顧録は、Forbesのオンライン版、および10月22日付けの印刷版に掲載されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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