Googleのエリック・シュミット会長は9月25日、Androidタブレット「Nexus 7」の日本発売に併せて来日し、Nexus 7を披露するとともに、Androidプラットフォーム優勢性を強調した。
シュミット氏は、現在の日本におけるスマートフォン普及率は20%にのぼり、すでにフィーチャーフォンを上回るペースで販売されていると説明。スマートフォンが普及することで、より多くの人々がつながり、経済の発展にも貢献すると話し、「生活が変わり、国や地球自体が目に見える形で変わろうとしている」と語る。
また過去に日本で起きたコンシューマー革命として、ウォークマンが登場し音楽がよりパーソナルに持ち歩けるようになった“ハードウェア”の進化を「第1フェーズ」、CDプレーヤーなどに変わりiPodをはじめとしたMP3プレーヤーが登場した“ソフトウェア”の進化を「第2フェーズ」を表現し、日本はスマートフォンの普及により「第3のフェーズ」に入りつつあると語る。
「この第3フェーズこそがまさに“ネットワーク”の時代であり、プラットフォームが重要であるという時代だ。クラウドがあれば、サーバを活用して非常に興味深い機能をデバイスの物理的な制約を超える形で体験できる。これはもう携帯電話と呼ぶものではない。GPSもカメラも搭載し、すべてのことが利用できる『モバイルコンピュータ』と呼ぶ時代になった」(シュミット氏)
シュミット氏はAndroidプラットフォームについても言及した。同氏によれば、現在1日に約130万台ものAndroid端末が新規登録されており、全世界では5億台以上のAndroid端末が利用されているという。シュミット氏は、AndroidがOS別のスマートフォンシェアでトップであると強調し、「最も早く拡大成長している」と胸を張る。
シュミット氏がAndroidの優位点として挙げるのが、OSの「オープン性」だ。同氏は、日本のAndroidスマートフォンはカラーバリエーションが豊富なこと、またフィーチャーフォンの形状をしたスマートフォンやAndroidを搭載したウォークマンといったユニークな端末も登場していると語り、「こういった多様性がエコシステムとしての日本の強みでもある」と説明する。
また2011年3月11日発生した東日本大震災を例に挙げ、「(震災発生から)48時間以内にある会社がAndroid上で警報システムをリリースし、たくさんの人命が救われた。Androidはオープンであり、誰かの許可を取る必要がない」と、オープンであることのメリットを強調する。
同社が実施した調査によると、日本のスマートフォンユーザーの82%が1日に1回ネットにアクセスし、86%が外出時にスマートフォンを利用している。また、75%が店舗の中でスマートフォンを利用しており、これは世界でも最も高い比率だという。
シュミット氏はこの結果について、「これで分かるのはクラウドがベースになってショッピングが行われているということ。これが日本のこれからのビジネスの大きな成長要因になる。新たなスタートアップ企業が日本のショッピング体験をうまく活用してビジネスを成長させることができる」との見方を示す。
クラウドが進化する一方で、Androidがシームレスなユーザー体験を提供できているかという点については、まだ完全なものではないと説明。今後も、モバイルで視聴していた動画の続きを、意識することなく自宅PCで見られるようにするなど、クラウドならではの価値を提供していきたいとしており、「完全にシームレスといったところまであと一歩」(シュミット氏)と語った。
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