アマゾンの新電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」--使用感や旧機種との違いをチェック

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年09月22日 07時30分

 Amazonの新しいE-Ink採用電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」は、一見したところ、2011年に発売された「Kindle Touch」に非常によく似ている。物理的なホームボタンがなくなったことを除けば、両者の筐体がほとんど同じであるためだ。そして、両デバイスの重量はいずれも7.5オンス(約212.6g)である。

 しかしPaperwhiteの電源を入れてみると、大きな相違点がいくつかあることに気付くだろう。まず、PaperwhiteにはKindleファンたちが待ち望んでいたフロントライトが搭載されている。さらに、競合のBarnes & Nobleやソニー、Koboのタッチスクリーンモデルが赤外線ベースのタッチスクリーンを採用しているのに対し、Paperwhiteは静電容量方式のタッチスクリーンを搭載している。最後に、Paperwhiteのディスプレイは解像度が強化されて、1024×768ピクセル、212ppiとなり、文字と画像がより鮮明にレンダリングされるようになった(画像の精細度も増している)。

figure_1
提供:James Martin/CNET

 さらに近い距離から見ると、静電容量方式のタッチスクリーンへの移行によって、Amazonの設計者たちがベゼルの薄型化を実現し(Touchには、ユーザーが画面をタップしたことを検知するための赤外線トランスミッタが埋め込まれていた)、PaperwhiteをTouchよりわずかに薄くすることに成功したことが分かる。Amazonによると、ベゼルの高さは77%低くなっているという(そのため、ベゼルの盛り上がった部分から生じる影が小さくなっている)。

 フロントライトはどうなのだろうか。筆者はライトの動作を初めて目にした瞬間、それがフロントライトのはずだと知っていたにもかかわらず、Amazonはバックライトテクノロジを使っているのだ、という印象を抱いた。なぜなら、本当にライトが画面全体に均一に広がっていたからだ。しかし実際には、画面はフロントライトによって照らされている。Amazonのエンジニアたちはディスプレイの上部ではなく、下部に4つの極小LEDを配置した。これは、Barnes & Nobleが「NOOK Simple Touch with GlowLight」で採用したのと同じやり方で、同製品は米CNETのEditors' Choiceを獲得した(Koboもまもなく発売される「Kobo Glo」で、ディスプレイの下部にLEDを配置している)。

 Kindle Paperwhiteのベゼルは非常に薄いので、本体を手に持っても、それらのLEDをはっきりと確認することはできない(筆者が最初にPaperwhiteを見たとき、バックライトテクノロジだという印象を受けたのはそのためだ)。NOOK Simple Touch with GlowLightを目の前に持ってきても、LEDは見えない。しかし、両デバイスを平面上に横に並べて置くと、NOOKのLEDと照明の仕組みはより明白になり、目で確認できるようになる。簡潔に述べると、NOOK GlowLightは十分に優れているものの、Kindle Paperwhiteはそれを凌駕している。後者の照明はより滑らかで、画面全体に均一に広がっているように見える。

静電容量方式タッチと赤外線タッチの比較

 Amazonは2009年に、マルチタッチハードウェア企業のTouchcoを買収した。そしてTouchcoには、AmazonのE-Ink電子書籍リーダー向けに静電容量方式タッチスクリーンを開発する仕事を任せたようだ。その投資は3年以上後にようやく実を結んだ。

フロントライトで照らされたKindle Paperwhiteのディスプレイ。
フロントライトで照らされたKindle Paperwhiteのディスプレイ。
提供:James Martin/CNET

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]