FuelBandが開始時点から終了時点までの正確な測定値を提供できないことは、真剣に運動に取り組む人にとっては不満だろう。FuelBandで時間と距離を記録する簡単な方法はない。Nikeは同デバイスの機能を補完するほかのNikeアクセサリを販売していると話すが、FuelBandが149ドルもすることを考えると、筆者はもっと多くの機能を搭載していると思っていた。
Nikeは、Nike Fuelポイントが運動量を測定するための標準的な新基準になるというコンセプトにユーザーがお金を払ってくれることを望んでいる。Nike FuelにNikeの名前が冠せられていることを考えると、ReebokやAdidasがこれに参加するとは筆者には思えない。
ある1日にあなたが何ポイントのFuelスコアを獲得したのかを知る人、あるいはそれを気にかける人は、あなた以外にはほとんどいないだろう。したがって、このスコアにどれだけの価値を認めるかは、実際のところ、その人次第である。筆者とっては、Fuelスコアは運動量の全般的な指標として有益だった。FuelBandを入手する前、筆者はいつものエクササイズスケジュールをゆっくりと再開しようとしているところだったので、同デバイスは大きなモチベーションを与えてくれるツールだと思った。
筆者は1週間近くFuelBandを使用した。そして最後の数日は、その前の数週間の合計の運動量を上回ったことを認めなければならない。筆者は毎日の目標を3000 Fuelポイントに設定している。Nikeはそのポイントについて、かなりアクティブな1日と定義している。実際に、そのポイントに到達するには、相当の運動量が必要だった。そして、筆者は3日連続でランニングとテニス、ジムでの運動をすることによってのみ、そのポイントを超えることができた。エクササイズをしなかった日は、設定ポイントに遠く及ばなかった。
例えば、セントラルパークでのランニングでは2500ポイント、1時間のテニスでは約1000ポイントを獲得できた。ポイントは手首の動きによって蓄積されていくので、得点は当てにならないことがある。両手を常に自転車のハンドルの上に置いているサイクリストは、運動をしても全くポイントを得られないかもしれない。逆に、筆者はバーで座ってビールを飲んでいただけで約400ポイントを獲得した(ジョッキを持ち上げるのは重労働ではあるのだが)。
FuelBandのカラーLEDも、奮起を促す役目を果たす。ユーザーが日々の目標に近づくにつれて、ライトが赤から緑に変わっていき、目標に到達するまで運動を続けるよう叱咤する。筆者は目標まであと数百ポイントに迫っていたとき、その日の夜の最後の数時間を費やしてアパートの周りを歩き、スコアを上げた(午前0時を回ると、Fuelスコアはリセットされてゼロになる)。
総合的に見ると、FuelBandは少なくとも、ユーザーが実際に運動をしているのか、それともオフィス内に留まって仕事をしているだけなのかを、ユーザーによりはっきりと提示する(後者の場合、筆者は2200ポイントをわずかに下回るスコアを獲得した)。問題が1つある。毎日の目標を変更するのが難しいということだ。あらかじめ設定したベンチマークを超えてからでないと、目標を変更することはできない。
バッテリ持続時間は満足のいくものだった。NikeはFuelBandの1回の充電での動作時間について、最大4日分のランニング時間に相当するとしている。筆者が使用した限りでは、FuelBandはこの数字を上回り、再充電が必要になるまでに6日間動作した。その間には、「iPhone」との定期的な同期や、頻繁なスコア確認も行っていた。
149ドルのFuelBandは、決して万人向けではない。NikeはFuelBandの発表イベントで何人かの有名アスリートを登場させたが、筋金入りのフィットネスマニアの多くがFuelBandを有益だと感じるとは思えない。ランナーやサイクリストにとっては、GPSを搭載し、FuelBandより正確に時間と距離を記録できるものなど、もっと有用なデバイスがほかにたくさんある。例えば、249.99ドルの「Motorola MotoActv」の方が適切かもしれない。とはいえ、モチベーション向上に役立つこうしたツールから恩恵を得ることのできる人々は大勢いる。そして、ウェブサイトとアプリで提供されるトロフィーやバナー、カラーチャートは、あまり運動が好きではない人を鼓舞して、決まった生活パターンを改善させるのに極めて効果的だ。もっと安価な代替品には、よりシンプルな99.95ドルの「Fitbit Ultra」がある。Fitbit Ultraも非常に小さな本体に、運動量の記録機能を搭載している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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