Nikeは「Nike + iPod」アクセサリによって、早くからパーソナルフィットネス市場に参入していた。同社の「Nike FuelBand」は標準的な歩数計として機能するが、運動をせずに座りがちな人々をアクティブなライフスタイルに誘導するために、バッジの授与などの「ゲーミフィケーション」戦略を採用している。また、新しい「Nike Fuel」という仮想測定基準によって、運動量の測定も行う。しかし、おしゃれなスポーツリストバンドで本当にモチベーションを高めることができるのだろうか。本記事を読んで、FuelBandがあなたにとって動機付けとなる機能を備えているかどうかを確認してほしい。
FuelBandは、ゴムのような感触がする少々厚めのバンドだ。手首に巻き付けて、留め金で固定する。筆者はすぐに、その極めてシンプルなデザインに感銘を受けた。そのデザインには、さまざまなカテゴリをスクロールするための1つのボタン、100個の白色LEDが並んだ大きなデータ表示部、20個のカラーLED(ユーザーが指定した目標に近づくにつれて赤から緑に変わる)が線状に並んだ部分が含まれる。ボタンを1回押すとNike Fuelのスコアが表示される。その後、ボタンを押していくと、カロリーと歩数、時間が順に表示される。
FuelBandはやや分厚いが、筆者は運動中(このケースでは、セントラルパークでのランニングと1時間のテニス)に同リストバンドを邪魔だと感じたことはなかった。どちらの運動でも、少なくともスコアを確認するために下を向くまで、同デバイスを手首に装着していることをほとんど意識しなかった。さらにFuelBandのデザインは、LED表示が大好きだという筆者の友人の関心を引いた。したがって、ほかのことはともかく、FuelBandにはユニークなファッションアクセサリとしての価値がある。
FuelBandには、バンドの円周を長くしたり、短くしたりできる追加のスペーサーも同梱されており、さまざまな手首のサイズに対応できる。バンドの円周は最短5.79インチ(約14.7cm)、最長7.76インチ(約19.7cm)だ。重量はスペーサーの数によって0.95オンス(約26.9g)~1.13オンス(約32.0g)だ。
FuelBandは、ぴったりとフィットする円形のデザインを採用しているため、たとえ留め金が外れても手首から落ちることはない。手首に引っ掛かった状態になるので、ランニングやゲーム中に何かの拍子で留め金が外れた場合でも扱いやすい。
大半のフィットネスデバイスと同様、FuelBandもかなり丈夫に作られている。防水性なので、装着したままシャワーを浴びたり、雨の中に持ち出したりしても大丈夫だ。ただし、水泳にもちこたえるだけの耐水性はない。
シンプルさは、本当にこのデバイスの鍵となっている。ボタンを除けば、ほかにポートなどの余計なものはない。実は、FuelBandの一端がUSBコネクタになっているため、留め金を外せば、同デバイスをコンピュータに接続し、データを同期できる。
FuelBandはBluetooth接続にも対応しているため、「App Store」で提供されているアプリケーションを使って、Bluetooth経由で「iOS」デバイスにデータを送信できる。「sync」通知が表示されるまでこのバンド上のボタンを長押しするだけで、FuelBandはiOSデバイスにデータを送信し、その後、iOSデバイスはそのデータをNike+のウェブサイトにアップロードする。残念ながら、FuelBandは現時点ではiOSとしか連携できないが、Nikeによると、「Android」アプリも現在開発中だという。
同期が完了すると、同アプリはユーザーにFuelスコアを通知する。Fuelスコアは、良くも悪くも、重要な測定基準として使われている。別のページでは、1日、1週間、1カ月、または1年を通してのユーザーの運動、さらにユーザーのその日のカロリーや運動した時間、歩数、合計距離のデータが表示される。Facebookを使って投稿を共有することも可能だが、筆者はその機能はオフにした。「Me」と名付けられた最後のセクションでは、モチベーションを高めるためのFuelBandツールを利用できる。Nike Fuelの合計ポイントを確認できるほか、「Best Day(最も良かった日)」や「Longest Streak(最長記録)」などのバナー、10000 Fuelポイントのようなベンチマークに達したことを祝うトロフィーを入手できる。一定のベンチマークを超えると、小さなマスコットがダンスをしたり、ユーザーの功績を称えるバナーを広げたりする。フィットネスのゲーミフィケーションが到来した。
ウェブサイトで提供される統計データもほぼ同じ内容だが、より詳しい情報が表示される。蓄積された時間ごとのFuelポイントを確認することが可能だ。これは、特定の運動をしている間、ユーザーがどれだけ動いたかを真に測定できる唯一の方法だ。カラーグラフは、1日単位でユーザーがどれだけ運動したのかを図示し、そのユーザーのFuelスコアを、同じ年齢の人々やNike+コミュニティー全体と比較する。
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