Appleが、欧州で進められている独占禁止法関連調査を終わらせ、罰金を科される可能性を回避するため、競合他社が電子書籍を安く販売できるようにする譲歩案を提示しているとReutersが米国時間8月31日に報じた。
匿名の情報筋がReutersに語ったところによると、Appleと出版大手4社が提示したこの譲歩案は、Amazonのような電子書籍小売業者に2年間、書籍の販売価格を安く設定する自由を与えるものだという。
独占禁止法違反を監視する欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は2011年12月、Appleが欧州における競争を制限するとの懸念から、同社の電子書籍の価格体系について調査を開始した。
Simon & Schuster(米CNETの親会社であるCBSが所有)、News Corp.傘下のHarperCollins Publishers、フランスのLagardere SCA傘下のHachette Livre、およびVerlagsgruppe Georg von Holtzbrinck (ドイツのMacmillan Publishersを所有)の出版社4社は、Appleの「iTunes」で電子書籍を販売する契約を同社と結んだが、その際、他の小売業者がそれより低価格で電子書籍を販売できないようにした。
ECは4月、Appleと上記4社が調査の終了を目指して譲歩案を提示したと発表したが、詳細は明らかになっていなかった。Reutersの情報筋によると、ECは目下、提示された譲歩案が十分なものかどうか、業界側に意見を求めているところだという。
Appleが抱える電子書籍がらみのトラブルはこれだけに留まらない。米国では、共謀して価格を吊り上げたとして、司法省がAppleと出版各社を提訴している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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