Hewlett-Packard(HP)が初めて「webOS」のオープンソース化を発表してから数カ月が経ち、ようやくベータ版の形が整った。
米国時間8月31日にリリースされた「Open webOS」ベータ版では、開発者向けに2つの環境を用意している。1つはデスクトップビルドで、さらに多くの機能を採り入れたwebOSのユーザー体験を設計できるようにするとともに、「Ubuntu」デスクトップに使われている他のオープンソース技術を統合するための「理想的な開発環境」を提供するという。
これらの新機能には、「Calendar」や「Contacts」などの中核アプリに加えて、サードパーティー製「Enyo」アプリのサポートも含まれる。
もう1つの環境はwebOSを新しいデバイスに移植するための「OpenEmbedded」ビルドで、db8やnode.jsサービスを実行するARMエミュレータを備える。HPがOpenEmbeddedビルドを用意した理由は、「コミュニティーで広く採用されており」、組み込み型プラットフォームのクロスコンパイリングをサポートするからだという。
全体として、Open webOSのベータ版はオープンソースとして利用可能な54のwebOSコンポーネントで構成されており、45万行以上のコードがApache License 2.0に基づいて公開されるという。
オープンソースのwebOSが2011年に初めて発表された際には、やや否定的な反応がみられた。同プラットフォームについてHPに明確な計画がないという批判があり、このプラットフォームがモバイル分野全体にどのような影響を及ぼすかが不透明だったからだ。
HPは2012年1月、いくつかの詳細を明らかにしており、同プラットフォームの最初のバージョンを9月に提供可能とすることを述べた。
HPはブログ投稿で、Open webOSを開発者向けにリリースするまでに長い時間がかかったことを事実上認め、「約束を果たすには、当社のエンジニアリングチームが週末も犠牲にしつつ、長時間かけて多くの大変な作業を行う必要があったが、われわれはこの目標を達成した」と述べた。
ただしHPは、Open webOSのリリースが9月のいつになるのか、具体的な日付を提示しなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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