Appleは当初、27億5000万ドルの損害賠償を求めていた。陪審員団はAppleの主張のいくつかを認めなかったものの、評決はAppleの大勝だった。対抗訴訟で4億2100万ドルを求めたサムスンは、Appleがいずれか1件の特許を侵害したことも陪審員団に納得させることができず、損害賠償を一切得られなかった。
評決は極めて一方的なものだったが、Ilagan氏によれば、初日の審議が終わるまで、陪審員たちの意見がおおむね一致しているかどうかは明白でなかったという。
「われわれは初日には、(サムスンが知的財産権を侵害したということでわれわれの意見が一致していることに)気づいていなかった。われわれは激しく議論した。特に、バウンスバックとピンチツーズームに関する特許については徹底的に議論した。Appleは特許を保有していると述べたが、われわれは先行技術(サムスンがiPhone登場前から存在していたと主張する同様の技術)について議論した。(Velvin)Hogan氏が陪審員長だった。Hogan氏には経験があった。自身で特許も保有していたので、自らの経験を説明してくれた。説明を受けた後、審議は容易になった。われわれが最初の特許、先行技術とは何なのかについて議論した後だ。なぜなら、先行技術は存在しなかったということがわれわれには信じがたかったからだ」(Ilagan氏)
Ilagan氏は、「実のところ、われわれはその問題を飛ばした。速く先に進めるようにするためだ。その問題のせいで、われわれの議論は行き詰まっていた」と続けた。
Ilagan氏は、陪審員団が急いで評決を出したと示唆する人々に対して回答した。往々にして複雑な知的財産権に関する700以上の質問に答える仕事を課せられた陪審員団がこれほど短時間で評決に達したということに、不信感を抱く人もいる。陪審員らは法廷で長い3週間を過ごした。そして、彼らが週末の直前に評決に達したことも、陪審員団が最後は即席で評決を出したのではないかという疑惑を招いた。
Ilagan氏は、陪審員団が審議プロセスを急いで進めようとしたことはなかったと主張した。同氏によると、各陪審員は自らの仕事に真剣に取り組み、手っ取り早い方法を取ることは一切なかったという。
「われわれは、せっかちにはなっていなかった。正しいことをしたいと考えており、いかなる証拠の検討も省かなかった。われわれは徹底していたと思う」(Ilagan氏)
同氏によると、いったんAppleの知的財産権が侵害されたということで陪審員全員の意見が一致してからは、審議プロセスが速く進んだという。
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