Appleとサムスンの訴訟で陪審員を務めたManuel Ilagan氏によると、この知的財産権侵害訴訟の審理を担当した9人の陪審員団は初日の審議を終えた後、サムスンがAppleに損害を与えたということで意見が一致したのが分かったという。
Ilagan氏は米国時間8月25日、米CNETの独占インタビューで、陪審員団は24日の評決に達する前に、何度か「白熱した」討論を行ったと述べた。また、審議の過程で性急に判断されたことは何もなく、陪審員団は証拠を慎重に検討したとしている。
「われわれは、提示された証拠に基づいて、Appleに有利な評決を下した。知的財産権の侵害があることは明白だった」(Ilagan氏)
非常に説得力のあった証拠をいくつか挙げるように求められたIlagan氏は、次のように答えた。
「複数あった。サムスンのデバイスに組み込むべきAppleの機能について、サムスン幹部陣の間でやりとりされた電子メールは、わたしにとって悪事を雄弁に証明するものだった。また、(Appleは)最終日、『iPhone』の発表以前にサムスンが作った携帯電話とiPhone発表後に作った携帯電話の写真を提示した。サムスンが提示した韓国からの動画(証言)に登場した同社幹部の何人かは、質問をはぐらかしていると感じた。彼らは、1つの質問にも答えなかった。彼らは、自分たちの言い分をサポートできなかった」(Ilagan氏)
Ilagan氏によると、Appleが3G無線技術に関連するサムスンの特許2件を侵害したと同社が主張したことも、サムスンが陪審員団に理解されなかった分野だったという。それらの特許の1つは、iPhoneおよび3G対応「iPad」に搭載されたベースバンドチップに関連するものだ。Appleは裁判で、サムスンがAppleの使用しているチップを構築したIntelとライセンス契約を締結していることを示した。このライセンス契約の下で、サムスンは争点となっているIntelチップを入手した企業を訴えることはできなくなっていた。Appleの主張は信頼するに足るものだった、とIlagan氏は述べた。
陪審員団は作業日数にして3日より少し短い21時間で結論に達した。陪審員団は、サムスンが知的財産権を侵害したとするAppleの主張の大半について、Appleに有利な評決を下した。また、Appleに10億ドル超の損害賠償を認めた。
Appleは2011年、サムスンがiPadとiPhoneに組み込まれた技術およびデザインの一部を盗用したとして、同社に対して訴訟を起こした。サムスンは、Appleがサムスンの特許数件を侵害していると主張して逆に訴えた。
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