声明に意外なところはほとんどない。現在のところ、本件の今後の展開を実際にはっきりと把握している者は誰もいない。しかし、可能性のあるさまざまなシナリオに応じて、消費者が非常に現実的な意味で影響を受ける可能性もある。
今回の勝利はAppleにとって重要だが、同社はまだ金勘定をすべきではない。同社は依然として、再審理する案件の約半分について少なくとも何らかの判定を覆す米連邦巡回区控訴裁判所と相対している。さらに、過去に大規模な特許評決が覆されたり、軽減されたりしたことは多々ある。サンタクララ大学の法学教授であるBrian Love氏は、「これで終わったような感じがするが、道のりはまだ長い」と述べる。
今後、まず行われるのは「判決後の異議申し立て手続き」だ。この手続きでは、米連邦地方裁判所のLucy Koh判事がサムスンに対する損害賠償裁定額を修正し、特許を侵害していることが認定された同社製品に対して恒久的差し止め命令を出す意向を持っているかどうかが明らかになるだろう。サムスンのすべての携帯電話は、少なくとも1件のApple特許を侵害していると認定された。Love氏によると、Koh判事は損害賠償裁定額を3倍に増やす可能性もあるという。また、Koh判事はこれらのことを実行する前に、両当事者に対して、この問題に関する申し立てを行う許可を出すかもしれない。
「仮に判事が差し止め命令を出したとして、サムスンの製品がすぐに市場から姿を消すかどうかははっきりしない。(控訴裁判所は)控訴の結果が出るまで、命令執行を延期するだろうか。おそらく、サムスンとAppleの間で何らかの金銭のやりとりが行われるのは数カ月後か、もしかすると数年後になるだろう」(Love氏)
サムスンは上訴する見通しだが、同社が評決後に出した声明に次の動きに関するヒントは全く含まれていなかった。Appleは、陪審員団がサムスンに有利な評決を下したトレードドレス問題について、上訴するかもしれない。また、Appleが今回の勝利でさらに勢いづき、同社の特許を侵害し、デザインをコピーしていると同社が考えるほかの携帯電話メーカーを標的にする可能性もある。
「Android」携帯電話メーカーは、まだ策を講じていないようであれば、慌ててAppleの特許を回避し、独自の模倣や革新を考え出すだろう。そしてGoogleは、既にAppleと法廷で争っている、あるいはすぐに争うことになるサムスン以外のパートナーをより効果的に保護できる方法を見つけ出す必要があるだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡