開発者たちの生産性というものは、彼らのニーズをどの程度満足させるのかによって良くもなるし悪くもなる。
雇用者の多くは、オフィス環境が従業員の生産性や彼らの幸福度に結びついているということについて、あまり考えていない。筆者はIT関連の職業についてしか断言できないものの、適切な作業環境を作り出すことが従業員の幸福度と生産性を保つ大きな分かれ目になると実感している。本記事では、開発者たちのための作業環境を作り出そうとする際に考慮しておくべき10のポイントを解説する。
ソフトウェア開発者という人種は、コンピュータの前で長時間過ごしがちであるため、オフィスの人間工学に重点を置くことが重要となる。このため上質の机と椅子、そして適切な照明やコンピュータ機器を用意することで、1日を通じて生産性の向上に大きく寄与できるようになるというわけだ。
会社としては安価なコンピュータ機器で全社的に標準化しておきたいというのが本音だろう。結局のところ、ほとんどのコンピュータに搭載されているハードディスクやCPUは待機している時間の方が長く、RAMを使い切るようなこともめったにない。たいていのユーザーの仕事は、1台のディスプレイ上でアプリケーションを1つ実行させるだけで済む。しかしその一方で、開発者はそれ以上の処理能力を必要とする。ハードディスクはさまざまなデータで埋め尽くされ、CPUやメモリは大規模プロジェクトでの開発中、特にテスト時やコンパイル時に極限まで使用される。そして、画面領域は貴重なリソースとして扱われるため、机の上にディスプレイがたくさん置かれているほど良い環境ということになる。また、KVMスイッチ、そしてテストを行うための追加のコンピュータやデバイスといったもの(Windows主体の企業であればMac、あるいはさまざまなスマートフォンやタブレットなど)も必要になるかもしれない。
ソフトウェア開発プロジェクトでは、疑問が出てきた時に適切な答えを迅速に得る方法がない場合、すなわち複雑な組織階層をたどった末に要領を得ない答えしか得られないという場合に大きな問題が発生する。顧客企業の最高経営責任者(CEO)の携帯電話番号をプログラマーたちに知らせておく必要まではないものの、彼らが何人もの取り次ぎを通すことなく、正しい答えに迅速に、かつ間違いなく到達できるようにするための手段を知らせておく必要がある。
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