logo

マイノリティ企業の成功--アメリカン・ドリームを再び求めて

エグゼクティブブックサマリー2012年08月23日 10時00分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事は海外のベストセラー書籍を日本語化して配信するサービス「エグゼクティブブックサマリー」の抜粋です。

 今回は『マイノリティ企業の成功~アメリカン・ドリームを再び求めて~』をご紹介します。この要約書で学べることは、マイノリティの人口動態は、未来のアメリカの繁栄にどう影響を与えるか、企業が将来有望なマイノリティ企業と新しい方法で手を結ばなければならない理由、米国が新しい「国家産業戦略」を必要とする理由と、その戦略が果たす役割です。


3分間で理解する本書の要点

  • 2042年までには、今はマイノリティである人々が、アメリカ合衆国の人口の大部分を占めるようになるだろう
  • 繁栄を取り戻す取り組みの一環として、アメリカはマイノリティ企業の発展を優先する
  • 「国家産業戦略」を立ち上げるべきである
  • アメリカ政府は、「多様性ビジネス補佐官」を任命するべきである
  • マイノリティ企業(MBE)は、「形だけのビジネスチャンス」しか手にできなかった
  • MBEの「バリュー・チェーン」は、「旧態依然の調達モデル」に取って変わらなければならない
  • 企業は、マイノリティのサプライヤーと戦略的提携を結ぶべきである
  • アメリカは中小企業局および類似した公的機関を最新の状態にしなければならない
  • 非政府組織と非営利団体はMBEを後押しすることが出来るが、まずはMBE自身が自分達の能力を高めなければならない
  • 政策立案者は、サプライヤーの多様性を促進し、「潜在能力の高い」MBEを支援するべきである
  • MBEは課税ベースを増やし、雇用を増やし、アメリカの競争力を取り戻すために貢献することができる

本書の推薦コメント

 アメリカ合衆国と言えば世界を牽引する経済大国です。しかし、現在その雲行きは、このところ芳しいものとは言い難いようです。2007年以降の不動産バブルの崩壊による金融破綻の余波は、現在に至るまで、国家の財政赤字として経済的基盤に大きな歪みをもたらしています。またその結果、失業率を裏付ける雇用環境に於いても、ここ最近の悪化はとりわけ目覚しいもので、ますます国民の生活環境そのものを疲弊させています。

『マイノリティ企業の成功~アメリカン・ドリームを再び求めて~』
『マイノリティ企業の成功~アメリカン・ドリームを再び求めて~』

 もっとも、この波乱を今後どのように解決していくかが、大国アメリカの威信を取り戻すカギであり、同時に、全世界が注目し続けるキーポイントになるのではないかと思います。この点に於いて、本書の二人の著者は経営コンサルタントとして数多くの実績から国家の経済政策には、一体何が欠けていて何が必要なのかについて提唱しています。

 特にジェームス・H・ロウリーは、人口統計学を主体とする視点から市場経済をどのように活発化させていくかについて述べています。また、自身がアフリカ系アメリカ人であるという立場から国家戦略として少数派民族で構成された企業の支援をすることがいかに経済再生への効果をもたらす重要な要素であるかについてMBEの歴史的事実を交え具体的に解説しています。民族と経済について大きな課題を投げかけている本書を、すべてのビジネスパーソンにお薦めします。

マイノリティ企業の成功は、国の優先事項である

 社会的少数者(マイノリティ)は、アメリカ合衆国を構成する不可欠な存在です。歴史を通してずっと、彼らは不利な立場に置かれて来ました。しかし今、その状況は変わりつつあります。2042年までに、少数民族や女性は、労働人口、起業家経済、そして今企業の成功のカギを握る複雑なバリュー・チェーンの中心的存在となるでしょう。

 アメリカの将来の財政は、国家の市場を基盤とした政策および慣習の中に、マイノリティ企業を大々的に迎え入れるための措置を今取るかどうかによって、左右されます。マイノリティが所有する企業を迎え入れ、アメリカのバリュー・チェーンの重要な構成要素を手助けすることになるのです。

 これにより、アメリカの経済繁栄にとってプラスになりますし、それによってアメリカ企業の世界市場における持続的な競争力も高められます。アメリカは、先進工業国の中で唯一「国家産業戦略」を持たない国です。

 この戦略は、戦略的および経済的重要性の観点から最優先すべき業界を特定し、国内生産量の目標を明確に定め、業界の「高収益と高成長」を保証する政策およびインフラを組み込むものです。アメリカの仕事と製造業が海外へ流出し、製造業の中心というアメリカの地位が損なわれるのではないかとう懸念は、おそろしい現実となりました。よって、2008年の経済危機から立ち直ろうと国が努力する中、すべての人に機会を与えることは極めて重要なことです。アメリカには、マイノリティを経済的成功から排除して来た古い政策を改善する包括的な「代替パラダイム」が必要です。

 もしマイノリティ企業(MBE)が起業家の夢を実現することが出来なければ、すべてのアメリカ人とすべてのアメリカ企業の未来は、より厳しいものになるでしょう。以前、マイノリティの人々は、人知れず法的および社会的障害に行く手を阻まれていました。しかし、今、その障害の多くは本当に消えつつあります。

 1980年代、アメリカ企業は「比較的重要性の低いアウトソーシング」の仕事などの請負の仕事に入札する機会を、より多くのマイノリティ所有の企業に提供することで、彼らの市場参加を促進する取り組みを行いました。しかし、それから10年以上経ち21世紀になっても、マイノリティ、特にアフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の人々は未だに、起業家としての成功を妨げる3つの大きな壁に直面しています。1つ目は、マイノリティの多くの人が、サービスおよび知識経済に参加するために必要な高等教育と訓練を受けていない(それどころか読み書きすら学んでいない)ことです。

 2つ目は、マイノリティの起業家は一般的に、事業を立ち上げたり拡大したりするた めに必要な資金を持っていないことです。そして、3つ目は、マイノリティの多くの人が、ビジネスを立ち上げ維持するために不可欠な社会的つながりや家族関係、そして取引関係などの人脈を持っていないことです。

 これは、彼らが選挙権を持たない移民であること、もしくは、貧しく、機会に恵まれていないことが原因です。有望な国家産業戦略は、「マイノリティ企業の発展」を促進することで、この3つの問題に取り組むことが出来ます。同戦略には次のシステムを組み込むべきです。

-PR-企画特集