Appleはサムスンが「iPhone」を模倣した証拠として、iPhoneと比較した「GALAXY S1」の短所が記述されているサムスンの社内文書を提出した。
Appleによって見つけ出されたこの文書は、GALAXY S1とiPhoneの「相対的評価レポート」として2010年3月に発行されたものであり、サムスンの主力製品であるGALAXY S1がiPhoneに劣っている点を明らかにしたものとなっている。このレポートでは、呼び出し画面からウェブ閲覧のエクスペリエンス、電卓の違いに至るまで、複数の機能における差異について評価されている。
Appleはこの文書により、サムスンが自社製品とiPhoneの比較を集中的に行い、大ヒット商品であるiPhoneにより似通った製品の開発を行ったということを証明したい考えである。一方、サムスンは主要な競合製品すべてに対して比較調査を行っていると主張する。
サムスンは声明において「サムスンは数多くの競合製品の評価テストを行っている」と述べるとともに、「実際、こういったテストは、Appleも含めて、さまざまな業界における数多くの企業によって日常的に行われている一般的な競合製品分析だ」とも述べている。
当時はもちろん、Appleと同社のiPhoneが一番のライバルであった。Androidはまだ軌道に乗っておらず、Appleはスマートフォン分野において断トツでトップを走っていた。
サムスンのこのレポートによると、iPhoneに比べてGALAXY S1は画面領域の効果的かつ効率的な利用も含め、基本的機能で劣っている部分が27項目あるという。またこのレポートでは、メールの保存時や画面遷移時といった、インタラクティブなビジュアルエフェクトに関する22項目が挙げられており、GALAXY S1は主なメニューを別にするとエフェクトが少ないとも指摘されている。さらに、ウェブ閲覧やメッセージ送受信、マルチメディアといったカテゴリでも両製品のさまざまな差異が指摘されている。
GALAXY S1は米国内では大人気を博すまでには至らなかったものの、世界的にはヒットし、後継製品である「GALAXY S II」や「GALAXY S III」の成功への礎を築いた。なお、現在の主力製品であるGALAXY S IIIは、米国内におけるほぼすべての通信事業者で大ヒット製品となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス