Hewlett-Packard(HP)は米国時間8月8日、企業サービス部門HP Enterprise Servicesの幹部を交代させ、さらに同部門に関するのれん代80億ドルについて減損処理を行うと発表した。加えて、これまでの予想を上回る数の従業員が早期退職プログラムに応じていることも明らかにした。
HPは流動的要素に関する注釈の多い発表の中で、第3四半期の非GAAP利益が予想を上回るとの見方を示した。しかしながら、企業サービス部門の再編とのれん代の減損処理は、同社がIBMへの対抗策を見いだせないでいることの現れだ。HP Enterprise Services部門はHPの全売り上げの28%を占めるが、売上額はかなり以前の四半期から横ばいで、営業利益は減少している。
まずは財務関連の数字について見てみよう。HPは、HP Enterprise Servicesに関するのれん代80億ドルを減損処理するとしている。同社では今回ののれん代処理について、サービス事業の動向に加え、自社の株価も要因になったと説明している。
HPはさらに、ウォール街が注目する非GAAPベースで、第3四半期の利益はこれまでの見込みの94~97セントを上回り、1株当たり1ドルに達するとの見解を示している。ウォール街では、第3四半期の利益は1株当たり97セントと予想していた。GAAPベースでは、第3四半期は1株当たり4.31~4.49ドルの損失になるという。
また、人員削減と事業再編に関連して、第3四半期に15億~17億ドルの税引き前費用を計上することを明らかにした。事業再編にかかる費用を、HPはこれまで10億ドルと見積もっていた。何が起きたのだろう? HPの従業員が続々と早期退職プログラムに応じているのだ。「この変更は主に、早期退職プログラムの予想より高い受諾率と、人員削減プログラムの実施が予想より速く進んでいることによる」と、HPでは説明している。
サービス部門の立て直しに関しては、HP Enterprise ServicesのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域担当ゼネラルマネージャーであるMike Nefkens氏が暫定的にトップを務めると説明されている。これまで同部門を率いていたJohn Visentin氏は同社を去り、他の道に進むという。また、同部門の最高執行責任者(COO)には、HP Enterprise Servicesの最高財務責任者(CFO)を務めているシニアバイスプレジデントのJean-Jacques Charhon氏が就任する。
この幹部交代について、HPではサービスのイノベーション、利益、顧客満足度を増大させるためだとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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