ベンチャーキャピタル企業のパーソナルブランディング--重要性の高まりを考える

Ben Parr (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年08月09日 07時30分

 誰も認めたがらないことだが、ソーシャルメディアが支配するビジネスの世界で成功したいと思うなら、パーソナルブランドの構築は不可欠である。とりわけ、最近になって日陰からスポットライトの当たる場所へ出てきたばかりの起業家にとって、そしてベンチャーキャピタリストにとっても、このことは真実である。

 筆者は2週間前にThe New York Timesに掲載された記事を読んで、パーソナルブランディングがベンチャーキャピタル(VC)の世界で果たす役割の高まりに興味を持つようになった。その記事は、自社のブランディングを強化するためにPRの専門家を雇うVC企業が増えている現象を取り上げていた。

 同記事の簡単な抜粋を以下に紹介する。

 今では、シリコンバレーのサンドヒルロードは長いパレード用ルートの1つになっている。ベンチャーキャピタリストはフルタイムのPR専門家を雇い入れて、ブロガーや記者たちに自社の優れた投資能力を伝えている。彼らは、自分たちのあらゆる行動や思考をTwitterやブログ投稿で宣伝している。

 2011年、複数の大手企業がマーケティングとブランディング、およびPRをフルタイムで担当する人々を雇用した。それらの企業には、Kleiner Perkins Caufield & ByersやLightspeed Venture Partners、True Venturesが含まれる。Benchmark CapitalやNew Enterprise Associates、Greylock Partnersなど、そのほかの多くの企業はPR企業と契約を結んでいる。

 かつてのVCは、物事がうまく運ぶように舞台裏で支援するだけだった。その後、FacebookやTwitter、WordPress、Tumblrが登場して、そうした力学を破壊してしまった。Union Square VenturesのFred Wilson氏やGRP PartnersのMark Suster氏のような先駆者たちは、VCとしての自らの体験をブログで語り始め、起業家に助言を与えるようになった。驚くに当たらないが、起業家たちは貪欲にそれに飛びついた。

Union Square VenturesのFred Wilson氏。
Union Square VenturesのFred Wilson氏。

 これらのVCがブログを執筆することでそれほどの知名度を得たのはなぜだろうか。答えは簡単だ。コンテンツを作成する者は、ソーシャルメディアの花形だからである。それゆえに、コンテンツを生成する数少ないVCがもてはやされるようになった。

 それは悪いことではない。実際のところ、ソーシャルメディアはベンチャーキャピタルを完全に良い方向に変えたと筆者は考える。それは、多くの起業家が全く知識を持っていなかった世界に透明性をもたらした。さらに、それを受け入れた企業にも恵みをもたらした。

 ほぼすべての企業には、その企業の顔となる人物が1人いる(まれに2人か3人いることもある)。FacebookにはMark Zuckerberg氏、GoogleにはLarry Page氏とSergey Brin氏、TaskRabbitにはLeah Busque氏、WildfireにはVictoria Ransom氏、SquareとTwitterにはJack Dorsey氏、米YahooにはMarissa Mayer氏だ。

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