Googleのエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであり、同社のソーシャルメディアへの取り組みを率いているVic Gundotra氏が、同社のソーシャルネットワークである「Google+」の開発者向けの完全な書き込み権限があるAPIが現時点で公開されていない理由について説明した。
同APIの公開が先送りにされていることに対して、Google+プラットフォーム上での開発を早く始めたいと考えている一部の開発者たちから抗議の声が上がっている。一部のサードパーティー開発者から早々に激しい抗議の声が寄せられたものの、Gundotra氏は中途半端な状態でのAPI公開は利益よりも害の方が大きいと述べている。
Googleのこの説明はまさに時宜を得たものであった。というのもソーシャルネットワーキング大手のFacebookが、同サービス向けアプリを開発しているDalton Caldwell氏から非難されたばかりであったためである。Caldwell氏は米国時間8月1日、自らのブログに「Dear Mark Zuckerberg」(親愛なるMark Zuckerberg氏へ)というタイトルの投稿を行い、Facebookの高圧的な戦略と、「ユーザーや開発者を置き去りにした金銭的な動機」を槍玉に挙げている。
この投稿によると、Caldwell氏はFacebookとのミーティングの場で、同氏が設計中のアプリはFacebookの新たな「App Center」に酷似しており、競合する可能性があると告げられたという。同氏は、Facebookの対開発者担当者からアプリの売却に応じるか、アプリにかけた努力が水泡に帰すことを覚悟するよう圧力をかけられたと主張している。
Gundotra氏はこの状況に便乗し、Google+に以下の内容を投稿している。
われわれがAPIを公開する際には、開発者の作り上げたイノベーションが長きにわたって残り続けることを、開発者自身が確信できるような状況にしておきたい。APIを公開した後でゲームのルールを変更するような真似は、誰にとっても、特にそのプラットフォーム上での開発に心血を注ぎ込んだ開発者にとって避けたいことであるはずだ。
またGundotra氏はCaldwell氏のブログ投稿へのリンクを張り、「わたしは開発者をコケにするつもりなどまったくない」とも述べている。
現時点でGoogle+上でのアプリ開発を行えるのは、注意深く選ばれたパートナーのみとなっている。しかしGundotra氏は、適切なタイミングでAPIが公開されることを強調し、以下のように締めくくっている。
APIの完全公開を待ち望んでいる人々には申し訳ないが、現時点ではまだ公開できない。われわれは他社と同じ道を歩みたくないため、慎重にことを進めている。われわれのプラットフォーム上で開発を行う人々に敬意を払っているというのが現実だ。ただ、これが今までにないものだということは確実に言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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