初心者や家族向けに使うことを前提に企画・開発された、NECのAndroidタブレット「Life Touch L」。個人向けモデルのメインターゲットは、よいものを安心して使いたいマジョリティ層だ。「買って、開けたら迷わずに使えるタブレット」をコンセプトとし、「女性」「シニア」「ビジネスマン(学生)」など利用シーンに合わせたアプリとして最大約50種類をプリインストールする。
実機に触れた感想は、確かに子どもから高齢者まで幅広い層の家族が共有して使うのに気の利いた細かな配慮がなされた1台で、Androidタブレットユーザーの裾野を広げる普及機となり得る可能性を感じる製品だ。
同製品のポイントとしては、まず第一にその薄さと軽さが挙げられよう。薄さ7.99mm、重さ540gで、iPadと比べると、持った感じの重量感も手のひらへの収まりやすさもしっくりとくる感じだ。iPadと比較したその差は、薄さ1.5mm、100g程度のものだが、一定時間手に持って使用することを考えると、そのわずかな差が意外に大きいと感じる。同製品の場合、横になった状態で女性が片手で使用していてもそれほど負担には感じないし、小さな子どもが膝の上で操作するにも支障はない様子だった。
また、外観に関しては、好みの個人差はあるだろうが、万人受けするニュートラルで無難なデザインだろう。iPadのような個性はないものの、液晶面は黒いフレームのフォトフレーム的なデザインで、裏面はアルミニウム合金を使用。マットな質感のシルバーでそこそこに高級感がある。周縁部はパール感のある白い樹脂であまり自己主張が強くないのもユーザーの好みを左右しないだろう。
画面に関しては、1280×800ドットの10.1型ワイドLED液晶で、2048×1536の高解像度を誇るiPadに比べるとやはり見劣りはするものの、タブレット端末としては標準的で不満は感じない。バックライトも明るく、彩度も高いので、どんな明るさの場所でも見やすい。IPS液晶を採用しているので、2人以上で並んで覗き込んで見る場合にも視野角が広くて見やすい。
また、処理速度やタッチパネルの反応も上々で快適。CPUとして搭載されている「OMAP 4460」は、他社のAndroidタブレットやスマートフォンにも採用されているデュアルコアのCPUだが、動作クロックが1.5GHzと最新のAndoroid4.0搭載タブレットの中では高め。実際の動作体感でも、タッチパネルの反応も含めてサクサク動き、ストレスを感じることはなかった。
8mmを切る薄い本体ながら、インターフェースも充実している。上部にはmicro HDMI端子とmicro SDカードスロットを装備。いまやBluetoothやWi-Fi経由でワイヤレスでデータ転送を行うのが当たり前とはいえ、挿すだけで直観的に使えるのは初心者向けを意識すれば外せない機能だろう。USBホストケーブルが付属しており、拡張用ポートに接続すれば、Type AのUSB機器が使えるようになるのも気が利いている。デジカメやプリンタなどの周辺機器をUSBケーブルで直接つなげるのはうれしい。
同製品のもうひとつの大きな特長は、初心者に使いやすい機能をソフト面で多数提供している点だ。プリインストールされた50種類以上のアプリは、クックパッドやHulu、TSUTAYA TV、ネット通販など、どれも利用頻度が高く、初心者がとりあえず使ってみすぐに便利さや面白さを体感できる、マルチメディア系や趣味・実用系のアプリを中心に厳選されたという印象。さらに、配慮がなされていると感じたのは、豊富なアプリへのナビゲート機能だ。
ホーム画面に「目的からアプリを探す」「最近使ったアプリを見る」「マイアプリを使う」「アプリ&サポートナビを使う」の4つのメニューが用意されている。突然タブレットを渡されても何をしていいかわからない──という初心者にも、使いたいアプリに複数の方法でナビゲートしてくれるのだ。
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