さまざまなOSへの対応を進める「Google Chrome」--担当SVPにその狙いを聞く - (page 3)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年07月12日 07時30分

--それでは、あなたはWindows RT上でMicrosoftの「Trident」ブラウザエンジンを使用するWindows RT版Chromeを計画されているのでしょうか。それとも、それはWebKitから離れすぎだと考えているのでしょうか。

Pichai氏:われわれは、それよりもMetroスタイルのWindows 8の方に力を入れています。MetroモードでChromeをサポートするのは確かです。

--「Jelly Bean(Android 4.1)」でChromeがまだデフォルトのブラウザになっていないのはなぜでしょうか。私は、Nexus 7のデフォルトのブラウザがChromeであることは知っていますが、あなた方はJelly Beanに関してはそれを明言していません。

Pichai氏:今は過渡期です。I/Oでは、われわれはNexus 7に注力していました。Jelly Beanは非常に新しいので、われわれは念を入れたいと考えています。これは2つの大きなプロジェクトが交差するケースです。われわれはすべての面で安定性を確保する必要があります。Chromeは安定したものでなければなりません。

--Chromeはどの程度までアプリを支援する手段になるのでしょうか。

Pichai氏:Chromeはアプリ支援における非常に大きな要素です。Chromeを入手してサインインするだけで、必要な準備が整います。それを1つにパッケージングすることができます。「Chrome OS(GoogleのブラウザベースのOS)」では、われわれはそれをさらに先へ進めて、「Google Drive」をユーザーのファイルマネージャにできるようにしています。ソフトウェアとサービスを結びつけることで、Chrome OSはより純粋で、統合された体験を提供します。「Google Apps」とChromeの組み合わせは高度に統合された体験を提供すると私は考えています。

--Androidでは、それらのサービスは非常に統合されていると感じています。最初に携帯電話を入手したときに、Googleアカウントでログインすると、すべてのデータが自然に流れ込んできます。しかしiOSの場合は、それよりもはるかに煩雑です。今後、iOSの体験を統合するつもりですか。ネイティブの「Google Docs」アプリを構築するつもりですか。

Pichai氏:われわれは素晴らしい体験を提供し、さらに制約を受けないために必要なあらゆることを行うつもりです。われわれは創造する力を人々に与えたいと考えています。Google DocsがiOSで有用な存在になることを望んでいます。そして、そのために必要なあらゆることを行うつもりです。

--しかし、それはネイティブアプリで行うのでしょうか。それとも、現在のようにSafariで動作するウェブアプリで行うのでしょうか。

Pichai氏:Google Docsのアーキテクチャは非常に複雑です。皆さんがネイティブアプリやウェブアプリを目にすることはないと思います。それは両者のハイブリッドになるでしょう。われわれは、サーバサイドで非常に多くのことを行っています。「ウェブ対ネイティブ」というフレーズは廃れていくと考えています。これからは、WebViewを採用するアプリがますます増えていくでしょう。

--それでは、iOS向けのネイティブなGoogle Docsアプリが登場すると考えても良いのですか。

Pichai氏:それは、われわれがiOS向けに発表したGoogle Driveの一部です。われわれの目標は、それを拡大することです。

--私が最初のGoogle I/Oに参加したとき、Androidはありませんでしたが、今では…。

Pichai氏:Androidのショーになっています。

--確かに。将来的に、Google I/Oはウェブアプリショーになるのでしょうか。

Pichai氏:私はそれをクラウドショーととらえています。その基盤にあるテクノロジは、人々が選択できるものになるでしょう。Netflixが良い例です。Netflixはクラウドサービスで、(複数のソフトウェアプラットフォーム上で)シームレスに動作します。将来性があるのは、クラウドアプリです。モバイル上でのウェブの動作が向上し始めるにつれて、それはますます人気の高い選択肢になると私は考えています。

--しかし、開発者がAndroidアプリとウェブアプリを記述するときに使うAPIには、主要なものが2種類あります。それらは集約されていくのでしょうか。

Pichai氏:私は集約されていくと思います。AndroidでChromeが提供されるようになるので、集約が発生すると考えるのが論理的です。エコシステムという観点から見た場合、われわれのユーザーに恩恵をもたらすGoogleストーリーを生み出したいと考えています。コンピューティングの歴史では、正解が1つということはなく、開発者は選択肢を必要としています。われわれは企業として特異な立場にいます。戦略において賭けに出るのではなく、ユーザーにとって正しいことをしているのです。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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