グーグルは7月2日、米国で行われた「Google I/O」での発表を受けて、国内でもブラウザ「Chrome」に関する説明会を開催した。
説明会には、実際にカンファレンスに参加したというグーグル シニア エンジニアリング マネージャーの及川卓也氏ら3名が登壇した。Google I/Oの参加者数は6000人を超え、130を超えるセッションがあったという。
インターネット利用者数は年々増加しており、現在は23億人と言われる。「多いように思えるが、実際には世界の人口からみれば3分の1に過ぎないという見方もできる」と及川氏は言う。「スマートフォンなどのモバイルデバイスを使えば、これで使う人が増え、すでに使っている人もより便利に使ってもらえるのではないか」とした。
今回新たにリリースしたiOS向けの「Chrome for iPhone and iPad」は、iOS 4.3以降に対応。iPod touchでも利用できる。上限のないタブ数、スピーディな検索、シークレットモードで履歴を残さないプライベートブラウジング──といった機能を備える。「上限のないタブ数は難しかったが、どういうものが望まれているかを調べた結果」と説明した。
また、ChromeはGoogleアカウントでログインして使用することで、異なるデバイス間でのタブの表示やブックマークの同期、入力候補の表示、設定の同期などを行える。
例えば、PC上でレストランを検索し、地図を表示したままにしておくとする。いざ出かけるときには、スマートフォンを持ち歩くだろう。iOS、Androidを問わず、スマートフォンでChromeを起動すれば、デバイスの一覧ページから、現在PC上で開いているウェブサイトのリストが表示される。ブックマークなどの機能を使わなくても、そのまま開いているサイトを簡単に表示できるのだ。
Chromeは、4600万人がログインして使用しているという。「ウェブで完結している人ならば、(アプリケーションなどの)インストールの必要がまったくない」(プロダクト マネージャーのバウケンジ氏)と自信を見せる。
「アカウントにサインインすることで、複数台での同期やこれまでできなかったこと、できたけれども複雑だったことを簡単にして提供する」(及川氏)とした。
Chromeのアクティブユーザーは現在3億1000万人で、毎年2倍の勢いで伸びているという。2008年9月に発表したWindows版を皮切りに、2009年12月にMac版、Linux版を発表。2010年12月にはChrome ウェブストア、Chrome OSを発表するなど、対応機種を広げてきた。スマートフォンの普及に伴い、2012年2月にはAndroid版、そして今回はiOS版を発表した。発表から数日で、早くも無料アプリの1位を獲得。絶賛するレビューが多く寄せられている。
これについて、「最初はWindows版だけだった。多くの方が1台しか使っていないのが一般的だった。今は、スマートフォンやタブレットを含め、複数台を持つのが当たり前になってきている。今後4年間で、200億のネット接続が生まれると言われており、1人2.5個のデバイスを持つことになる。Chromeに複数台の環境を持つ方々に楽しんでいただくための機能を追加している」と説明した。
グーグルがChromeとともに力を入れているのがウェブプラットフォーム「HTML5」と「WebLAB」だ。
「シルク・ドゥ・ソレイユ」とのコラボレーションサイトを秋にもオープンする。ウェブカメラに映した人の動きと連動してリアルタイムで映像が見られるなど、力の入ったものになるという。会場では、機能の一部として、ウェブ上に動画をリアルタイムで表示するデモやエフェクト機能などを披露した。
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