筆者はこれまでの経験から、経営者やマネージャーのなかには、自らの事業や組織を運営していくためにテクノロジを利用しなければならないという事実を受け入れたがらない人々もいることを学んできている。こういった人々はハードウェアに対する支出をしぶるのである。また彼らは、ソフトウェアにお金を払う必要があるとも考えていない。さらに、彼らはコンサルタントのスキルや知識、時間に対してお金を支払いたいとも考えていない。にもかかわらず、彼らはシステムやソフトウェアに対して何らかのことを要求し、支援を依頼してくるのである!筆者は、前もって代金を受け取らない限り、ハードウェアもソフトウェアも納品してはいけないということを学んだ。またサービスに関しては、支払い実績を確認できるまでは手付け金を受け取るようにしておくのが一番である。
ベンダーが、あなたのコンサルタント会社に自社製品の認定再販業者になってもらいたいと考えている際には、彼らはあなたの一番の味方であるかのように振る舞うはずだ。彼らは昼食をおごってくれたり、製品を無償で送付してきたり、宣伝用の資料を大量に持ってきたりもする。また、販売予測や見積もりを別途手伝ってくれるかもしれない。しかし、本番が訪れた際、すなわち顧客に製品を販売した際に、そのテクノロジが前宣伝通りの性能を発揮しないという状況になった場合、東欧の冷戦時代に建築された安アパートに住む自営業のサポートデスク担当者と話をさせられる羽目になるかもしれない(それすらできず、誰とも電話がつながらないという場合もある)。詰まるところ、例外もあるとはいえ、ベンダーが提供する技術サポートはたいていの場合、あまり良いとは言えず、特に技術的に複雑な問題の場合には当てにすることなどできない。このため、製品分野ごと(スイッチやルータ、サーバ、電子メールプラットフォーム、バックアップソフトウェア、ウイルス対策ソフトウェアなど)にいくつかの重要な製品を選び出し、それらに関するスキルや専門知識を身に付けておき、顧客に対してはなぜそのプラットフォームがお勧めなのかを説明するように心がけるのがよいだろう。
顧客はテクノロジの違いなど気にしない。彼らはルータとスイッチの違い、あるいはデータベースとアプリケーションの違い、はたまたシステム管理とソフトウェア開発の違いなど、どうでもよいと思っている。これは中小企業でよく見かける風潮である。さらに、機能停止した電子メールサーバのトラブルシューティングを依頼するためにテクノロジコンサルタントを呼んでいるにもかかわらず、トラブル対応にきた技術者に7年前に購入したハードディスクレコーダーの修理をおまけとして頼んだり、大昔に倒産した会社が製造していた構内交換(PBX)システムの修理を頼んだり、ドキュメントが存在しておらず、大昔の入退室制御システムと連動しているビデオ監視システムの修理を依頼する顧客も珍しくない。
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