2015年のIT部門では、フルタイムで勤務するITプロフェッショナルの数は減少し、コンサルタントの雇用が増え、ソフトウェアやモバイル、クラウドにより重点が置かれるようになっているはずだ。
筆者は9月28日、「TechRepublic Live 2011」という年次イベントの冒頭で、「2015年のIT部門はどのようになっているだろうか?」という質問を投げかけてみた(右の写真はその際のもの--Deb Shinder氏撮影)。
筆者がこのイベントで訴えたかった内容は、IT部門が2001年の頃のような肥大化し、中央集権化されたかたちへと回帰していくことは将来的にあり得ないため、ITプロフェッショナルはITの分散化という状況を前提として今後に備えておく必要があるということだった。企業はこの先、コンサルタントの利用を増やして、IT職に専従する社員の数を減らすとともに、ITリソースの軸足をソフトウェアやクラウド、(ゆくゆくはPCと同等の機能を実現できる)モバイルデバイスに移行していくと筆者は考えているのである。
10年前であれば、LANやディレクトリサーバ、メールサーバ、会社支給のノートPCなど、新規導入されるITインフラの多くには面倒な設定がつきものであった。また、ベビーブーマー世代の従業員が数多くいたため、IT化された職場環境への移行を組織として支援する必要もあった。しかし、そういった時代はとっくの昔に終わっているのである。
今日では、こういったテクノロジのほとんどが空気のような存在となっており、ITプロフェッショナルが時間をかけて配備や運用を行わなくても済むようになっている。また、修理や保守、エンドユーザーのサポートについても、それほど時間がかからないようになってきている。サポートという仕事は今後、機器のリプレースが中心となっていくだろう。2015年には、職場のノートPCやスマートフォン、タブレットが故障した場合、IT部門に申し出て、代替機と交換してもらうだけで済むようになっているはずだ。そして、こういった代替機をプライベートクラウドやパブリッククラウドに接続するだけで、ユーザーの使うアプリケーションや設定、データが即座にダウンロードされるようになるというわけである。
クラウド(プライベート/パブリッククラウドを問わず)のおかげで、従来であれば1カ月程度かかっていたサーバのプロビジョニングやデータセンターの設定といった作業がわずか数分、しかもウェブブラウザ上でのマウスクリックだけで完了するようになるだろう。そして、実際に行う作業はサーバの設定ではなく、配備に値するアプリケーションの選択や、企業における業務プロセスの円滑化を支援するための適切な計画の立案といったものが中心となるはずだ。
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