ほぼ一夜にして、iPhoneはAppleの企業イメージを一変させた。それは、人気の高いポータブル音楽プレーヤーとデジタルメディアサービスを持つコンピュータメーカーとして主に知られていた企業を、携帯電話市場で支配的な力を持つ企業に変えるのに貢献した。iPhoneの登場は、Appleより何年も長い経験を持つライバルたちにとって、最終的に非常に悪い知らせとなった。そうしたライバルには、MicrosoftやPalm、Nokia、Research In Motion(RIM)などが含まれる。買い物客たちがAppleのiPhoneを選ぶようになると、そうした競合の企業は全く取り残されてしまい、間が抜けたように見えた。
iPhoneが成功した主な要因を2つ挙げることができる。シンプルさと一貫性だ。
「スマートフォン」のカテゴリに分類されるiPhoneは、多くの機能を搭載しているにもかかわらず、使いやすかった。テキストメッセージやボイスメールは、1つの用途を持つシンプルなアプリに姿を変え、ユーザーが携帯電話でそうした情報にアクセスする一般的な方法に変化をもたらすものとなった。本体の前面には1つの役割のみを持つボタンが1つだけ配置されており、ライバルのデバイスに比べて威圧感も少ない。他社のデバイスといえば、その画面はたちまち小型化してしまったように感じられたし、画面の下には目がくらむほどに極めて小さなキーが並んでいたものだった。
iTunesとの連携は、同デバイスを最新の状態に維持する上で好都合だった。Appleは、取り外し可能なストレージカード、または一部の携帯電話のように携帯電話キャリアからの無線を通してソフトウェアアップデートを提供するのではなく、iTunes経由でアップデートを処理した。このような方法は、以前から「Mac」やPCでは可能なことだった。さらに同社は、新機能を追加し、バグを修正するアップデートの発表も継続して実施してきた。これらはいずれも「iPod」から受け継がれたことである。AppleはiPhoneが誕生するまで、6年を費やしてiPodを磨き上げていた。
一貫性という面でも、Appleは厳格なペースを守っており、初代モデルの発売以来、毎年新しいiPhoneを発表している。現在では5世代目に相当するモデルまでが登場しているが、大きなデザインの違いは3種類しかなく、同時期に販売されるモデルは常に2つ以下に抑えられてきた。プラグやボタンの位置は変わっていない。表面だけを見ればこれは大したことではないように思えるかもしれないが、それによって、サードパーティーアクセサリのエコシステムが急成長し、新モデルが出てもユーザーはすぐに慣れる。
何年にもわたって、Appleは初代iPhoneの上に短い間隔で着実にアップデートを築き上げてきた。それには、本体の物理的サイズのスリム化や、さまざまなハードウェアコンポーネントの強化が含まれる。進化の過程でAppleが追加してきた重要な機能のいくつかを紹介する。
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