住宅情報サイト「SUUMO」のエクスペリエンス向上施策

杉山貴章(オングス)2012年06月13日 14時43分

 アドビシステムズは6月7日、マーケティング関連のフォーラム「Adobe Innovation Froum 2012」を開催した。本稿では、リクルート 住宅カンパニー エバンジェリストの小川卓氏によるセッション『住宅情報サイト「SUUMO」における、データに基づいたエクスペリエンス向上施策とは』の内容をレポートする。

SiteCatalystを利用したKPI設計

リクルート 住宅カンパニー エバンジェリスト 小川卓氏
リクルート 住宅カンパニー エバンジェリスト 小川卓氏

 リクルートが運営する「SUUMO」は、不動産および住宅に関する総合情報サイトである。SUUMOでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)向上のための解析ツールとして「SiteCatalyst」「Test & Target」「Discover」といったアドビ製品を活用しているという。

 小川氏からは、これらのツールを利用して具体的にどのような取り組みを行っているのかが、いくつかの事例を交えながら紹介された。

 一つ目の事例として紹介されたのが、直近3カ年の売上目標に対する達成の見込み分析(3カ年目標)と、追いかけるべきKPIの設計に関する手順である。KPI設計は図1に示す手順にしたがって進めることが基本になっているという。

図1 KPI設計の基本的な考え方 図1 KPI設計の基本的な考え方
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それぞれの項目は、次のような基準で設定していく。

  • 売上目標
    • 売上目標=売上単価×反響数
    • 過去のトレンドと今期の施策予測を元に月別の必要反響数を設定する
  • 領域別反響
    • 各領域(新築マンション、賃貸、戸建など)ごとに必要な反響数を算出し、月別の訪問者数を設定する
  • 横断見立て
    • SUUMO全体の横断的な見立てを過去の実績と今後の予測から算出する
  • 領域見立て
    • 横断見立てのシミュレーションに領域固有の見立てを追加する
  • 領域KPI
    • 全体とエリア別の達成度を確認する
    • 未達成の場合は、達成のために必要な数値を洗い出す
図2 予測システムによる横断見立ての例 図2 予測システムによる横断見立ての例
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 このうち、SUUMOでは横断見立て以降の分析において、SiteCatalystによって収集されたデータを利用する自社開発の予測システムを利用しているという。予測システムでは、目標や流入量などの値を指定してシミュレーションを実施することで、予測達成度を具体的な数値として見ることができる。このようにして設計されたKPIを主軸としてモニタリングと施策の優先順位付けを行い、目標の達成を目指すとのことだ。

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