リクルートは1月10日、2012年のトレンド予測を発表した。同日開催された会見では、同社が運営する媒体の編集長らが、「旅行」「住宅」「日常消費」「美容」「進学」「就職」の6つの領域に関するトレンド予測が語られた。
このトレンド予測は2012年で3年目となる。2011年の予測では、ソーシャルネットワーキングサービスを使った就職活動「ソー活」の流行などが予測として発表された。
日常消費分野を担当したのはR25編集長の柿﨑隆氏。同氏はソーシャルメディアの隆盛を背景に、「ネタおすそわけ消費」が起こると語る。
2011年には国内のFacebookユーザーが急増し、Twitterや国内ソーシャルネットワーキングサービスなども含めてソーシャルメディアの利用が広がった。そうなったことで、若者はリアルでもウェブでも常に他者の視線を意識するようになり、自己PRをしていかないと、「ソーシャルメディア上では存在しないも同然」(柿﨑氏)の状態に陥るケースも生まれてきた。また、ネットで情報を広める際に、友人から共感を得たり、“ウケる”話題を求める傾向があるという。
そうした結果、ネット上で友人関係を維持すべく、ソーシャルメディア上にさまざまなネタを投下する。それは情報発信意欲の高い人がブログを書くのとは異なり、人付き合いのための“おすそわけ”的な情報発信となる。そんな情報を発信するための消費行動が増えるというわけだ。
その兆しとして、柿﨑氏は3つの事例を紹介した。1つめは体験型ギフトやツアーの人気だ。リクルートのクーポン共同販売サービス「ポンパレ」でも、男性エステの体験コースなど、体験型のコンテンツに注目が集まっているという。
2つめはウェブを通じた一般人が発信するネタの増加だ。動画共有サービスの「ニコニコ動画」では、アーティストやアニメなどのダンスを踊ったり、歌を歌ったりするような、ユーザー自身をネタにした投稿が人気を呼んでいる。また、テレビでアニメ映画「天空の城ラピュタ」が放映された際には、劇中の呪文「バルス」に関する投稿がTwitterの記録となるツイート数になるなど、クリエーターではない人たちでも提供できる話題、ネタが増えてきている。
そして3つめが「共犯型キャンペーン」の増加だと語る。ここで言われている“共犯型”とは、投票や投稿の仕組みを取り入れたユーザー参加型のキャンペーンを指している。アイドルグループ「AKB48」のキャンペーンに始まった投票型のキャンペーン、大塚製薬の診断型Facebookを使ったキャンペーン、ローソンが実施したからあげクンの歌の作詞キャンペーンなど、キャンペーン自体が話題のネタになるようなものが登場している。
会見ではほか5分野に関しても、トレンド予測がなされてた。概要については同社サイトにて公開されている。
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