WWDC解説:巨大な経済圏を抱える「iOS」の進化 - (page 2)

新機能は200という「iOS 6」

 もうひとつのiPhone/iOSプラットフォームの新材料は、iOSの次期メジャーバージョン「iOS 6」という形で発表された。リリースは今秋とのこと、iPhone 4Sの発売からちょうど1年というタイミングもあり、新デバイスとセットで市場に投入される可能性がいよいよ高まった。

 その内容は、事前に流れた噂を超えるレベルだったといえる。

 地図閲覧アプリ「マップ」は、Google Mapsに代わりApple独自のベクター方式による3D表示がサポートされ、滑らかな描画で建物を立体的に俯瞰できるようになった。ナビゲーション機能も強化され、リアルタイム渋滞情報や店舗/施設検索にも対応するという。日本国内の地図も提供されることから、ここしばらく斬新な新機能が追加されていなかったGoogle Mapsベースの「マップ」より実用性が高まる可能性もある。

 音声認識機能「Siri」も進化する。従来の英語、日本語、仏語、独語にくわえ、スペイン語とイタリア語、韓国語、中国語(北京語、広東語)もサポートされるなど対応言語が拡充されたほか、スポーツの試合結果を調べるなどインテリジェント化がさらに進んだ。運転中でも視線を移さずに音声のみで操作できる「Eyes Free」モードに対応、車載システムとの統合が進展しつつあることも特記しておきたい。

 ほかにも、Facebookの統合や留守番電話機能、3G回線でのFaceTimeサポート、友人・知人と写真を共有できる「共有フォトストリーム」など、iOS 6は見どころ満載と言っていい。なにせ、200の新機能があるというのだから……秋までには、この上を行く目玉機能が発表されても不思議ではない。

 以上、駆け足でWWDC 2012を総括したが、若干消化不良の気がなくもない。既定路線に大きな変更は見られず、「Cook丸」の順調な航海も確認できたが、何かが足りない。

 そう、それはおそらく「One More Thing」。余裕の表情でこの名台詞を口にした日こそが、ユーザーにとって本当の意味で新CEOを信任できる日になると思うが、いかがだろう。

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