新しい記事によると、MicrosoftはNokiaの買収を検討したが、会計書類を調べた上で手を引いたという。
The Registerは現地時間6月11日、「信頼できる情報筋」の話として、Nokiaは2011年末にソフトウェア大手のMicrosoftに対し、Nokiaのいずれかの事業部門が買収に値するかどうかを判断できるように会計書類を開示したと報じた。Microsoftは、同書類に納得できなかったようで、すぐに取りやめた。
その理由を知るのは難しくない。「iOS」や「Android」に移行するモバイルユーザーが増加するのにともない、Nokiaの売上は急激に低下している。それでも、MicrosoftがNokia全体あるいはその一部の買収を検討したかもしれない理由は明白だ。Microsoftはモバイル市場で成果を上げる必要があり、Nokiaはいまだに毎年何億台ものデバイスを出荷している。Microsoftにとって、市場で効率よく大きなウェイトを占めるのに好都合だ。さらに、Nokiaは安い。
Nokiaの株は過去5年間で90%下落して2.91ドルになった。この記事の執筆時点で、同社の時価総額は104億5000万ドルだ。Microsoftが四半期ごとに上げる収益を考えれば、苦もなくNokiaを買収できるであろう。部分的な買収であれば、さらに安くなる。
しかし、いくら資金があるといってもMicrosoftも割に合わない買収には支出できない。おそらくこの理由で、Microsoftは2011年、Nokiaを完全に買収する代わりに、同社との提携にとどめて、「Windows Phone」をNokia製品の核となるオペレーティングシステムにしようと判断したのであろう。
MicrosoftとNokiaは買収に至らなかったが、2011年12月、両社が共同でResearch In Motionの買収を検討しているといううわさが浮上した。しかし、報じられたところによると、両社はRIMを詳しく調査した上で買収を取り止めたという。
米CNETは、The Registerの記事についてのコメントをMicrosoftに問い合わせている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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