Appleの大規模な開発者向けイベントの開幕まであとわずか数日となったが、同社をめぐる噂が次々と浮上している。
最新の噂はThe Wall Street Journal(WSJ)が伝えたもので、Appleがモバイルアプリケーションの開発者向けに「自分のソフトウェアを誰が使っているか追跡する」新たな方法の提供を検討しているという。
「この新しいツールについては今後数週間の内に詳細が明らかになるだろうが、その狙いは、従来のやり方よりもユーザーのプライバシー保護を強化することだという。これに先立ち、Appleは2011年夏、異なるアプリケーション間でユーザーを追跡するために『iPhone』と『iPad』に組み込まれた一意の識別コードを使用することについて、アプリケーション開発者に対して認めなくする方針であることを明らかにし、モバイル業界を慌てさせた。これまでのところ、同社はこの方針を積極的に推し進めているわけではない」
WSJの記事では、この技術の仕組みについて具体的な情報を提供していない。
Appleは、2011年にリリースされた「iOS 5」における変更点の1つとして、機器に組み込まれるUDID(Unique Device Identifier)の段階的な廃止を開始すると述べていた。
UDIDはシリアル番号と同じような識別コードで、機器に関連付けられている(その機器を複数のユーザーで使っていてもUDIDは変わらない)。分析やサードパーティーの広告ネットワークでよく利用されていたほか、ユーザーによる設定がアプリケーションの再利用時にも保持されるようにしたい開発者にも活用されていた。開発者は現在、アプリケーションに固有な一意のIDを自分で作成するよう推奨されているが、Appleは指針をほとんど明らかにしていない。
その後3月には、UDIDの使用を続けているアプリがAppleの「App Store」における承認プロセスで拒否されているとの報告が開発者らから寄せられ始めた。
一意の番号は、ユーザーの行動を複数のアプリケーション間で追跡できるという点で、広告主にとって便利なものだった。これは、Appleが提供していなかった機能だ。
ただし、こうした動きによってAppleは問題に直面することにもなった。Appleを相手取り集団訴訟の認定を求めて起こされた複数の訴訟で、弁護士らはUDIDを「スーパークッキー」と呼び、Appleが同社製機器のUDIDへのアクセスを禁止または制限する方法をユーザーに一切提供していないと主張した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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