モバイル事業を改善する取り組みを強化しているFacebookは米国時間6月7日夜、モバイル「App Center」をローンチした。このアプリセンターは、「Nike+ GPS」「Ubisoft Ghost Recon Commander」「Stitcher Radio」「Draw Something」「Pinterest」など、600種類以上のアプリを取り扱う。
Facebookでデベロッパープロダクト担当ディレクターを務めるDouglas Purdy氏は「このアプリセンターは、ユーザーがソーシャルアプリケーションを発見するための新しい方法になる」と述べる。さらに、Purdy氏は、同アプリセンターがFacebookにいる9億人のユーザーにリーチする方法を開発者に提供すると述べた。5月はAppleのApp Storeにおけるビジット数のうち、8300万件がFacebookからのものだと述べた。
FacebookのApp Centerは、ユーザー自身や友人が利用するアプリを参考にお勧めアプリを抽出し、ユーザーごとにパーソナライズされたページを表示する。ワードゲームが好きなユーザーには、App Centerはそういう種類のアプリをユーザーに提示する。その後、ユーザーが気に入ったアプリを選択すると、使用している端末に応じて、Appleの「App Store」やGoogleのアプリストアに誘導される。
App Centerは、「iOS」および「Android」版Facebookアプリ経由で携帯端末から、または、Facebook.comに携帯端末からアクセスすることで利用可能だ。Facebookではモバイルトラフィックの多くが、アプリ経由でなく、モバイルウェブからのものだという。
7日の発表は、FacebookがApp Centerをローンチすると発表してから1カ月後の出来事だった。同社はApp Centerについて、ユーザーがPinterestやSpotify、Viddyといった最高のソーシャルアプリを発見するのを支援する手段であると述べた。
Facebookは、モバイルから利益を得る方法を考え出す必要に強く迫られている。Zuckerberg氏はIPO実施前に、同氏の2012年の主要な優先事項はモバイルであると投資家に話している。
Facebookは同社のモバイル製品にさまざまな変更を加えてきた。6日には、同社アプリをとおして仮想グッズやデジタルグッズの代金支払いを簡素化する「摩擦の少ない」モバイル決済システムを発表している。また、5月には、より大きな写真を表示できるようにモバイルインターフェースを設計し直した。
Facebookのモバイルプロダクトの3月における月間平均ユニークユーザー数は4億8800万(全体のユーザー数である9億100万人の半分以上に相当)。これを受け、同社はモバイルから利益を得る方法の模索に着手したところである。問題の1つに、モバイルデバイスは画面が小さいので、PCのように多くの広告を表示できない、ということが挙げられる。
Facebookのモバイル分野での課題(ほぼすべてのモバイル企業がこの課題を共有している)は、Facebook株に対する悲観的な見方が広がる要因にもなっている。Facebook株の6月7日の終値は26.31ドルで、IPO価格の1株当たり38ドルから30%以上下落している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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