モバイルセキュリティに関する2人のリサーチャーによると、LinkedInの「iOS」アプリは、カレンダーに入力されたデータからパスワードや会議メモなどの情報を収集し、ユーザーに通知することなくそれらを同社のサーバに送信しているという。
Appleの「iPad」および「iPhone」を対象とするLinkedInのアプリは、ユーザーがカレンダーに入力した情報を同アプリ内で閲覧できるようにするためのオプトイン機能を備えている。しかし、いったんその機能をユーザーが有効にすると、同アプリはユーザーのカレンダー入力情報をLinkedInのサーバに自動的に送信してしまうことを、リサーチャーのYair Amit氏とAdi Sharabani氏が発見した。両氏はテルアビブ大学で現地時間6月6日に開催されるセキュリティワークショップで、この発見を発表する予定だ。
ユーザーに開示されないこうしたデータ送信は、アプリがユーザーから明示的な許可を得ずにユーザーのデータを収集および送信することを禁じるAppleのプライバシーガイドラインに違反する可能性がある。2012年に入ってから、人気のiOSおよび「Android」アプリケーションである「Path」がユーザーの連絡先情報を無断で収集していたことが発覚し、論争が起こった。Pathはこの問題に関して謝罪し、ユーザーに同機能をオプトインすることを求めるアップデート版を発表している。
Appleは、今後こうした行為を防ぐための対策を講じることを約束した。また、米下院小委員会はAppleに書簡を送付し、連絡先をダウンロードする前にユーザーの許可を求めることをなぜアプリ開発者に強制しないのかを尋ねている。
Amit氏とSharabani氏は今回の発見に関してLinkedInに連絡したが、この問題はまだ解決されていない。しかし、両氏は、LinkedInが収集したデータを悪用したとは思っていない、と述べている。
米CNETはLinkedInにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。ただし、同機能はユーザーがいつでもオプトアウトできる「オプトイン体験」であるというLinkedInのコメントを掲載しているThe New York Timesの記事に、LinkedInは言及した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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