アジアと欧州の規制当局が、Googleが現地の競合企業に対抗するために検索市場での独占的な地位を不当に利用している疑いがあるとして、同社への圧力を強めている。
欧州の規制当局に関する話題を中心とする登録制のニュースレターMLexによれば、今週に入り、韓国公正取引委員会(KFTC)がソウルにあるGoogleのオフィスへの立ち入り調査を実施したという。KFTCは2011年9月にも同オフィスへの立ち入り調査を実施し、同社が自社のモバイルOS「Android」において競合他社の検索エンジンへのアクセスを制限しているとの疑惑を調査するため、情報収集を行っている。
さらにMLexが同じニュースレターの中で伝えたところによると、ブリュッセルでは、欧州委員会の競争政策担当委員であるJoaquin Almunia氏がGoogleに対して書簡を送り、市場での独占的な地位を乱用してるとの懸念に対処するため、7月2日までに和解案を同委員会に提示するよう求めたという。Almunia氏は現地時間5月21日に実施した記者会見で、Googleが「数週間のうちに」譲歩を申し出ることを期待していると述べたものの、具体的な期日は指定していなかった。
ソウルでの立ち入り調査とAlmunia氏からの最終通告についてGoogleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
Googleは声明の中で「当然ながら、我々は今回の件やその他の政府の調査に今後とも協力していく」と述べている。
韓国では、現地のインターネット企業2社(検索エンジン「NAVER」を運営するNHN、およびDaum Communications)が1年前、Googleの検索事業構築におけるAndroidの活用について調査するよう、KFTCに求めていた。NHNとDaumの主張によれば、Googleはスマートフォンメーカーと移動通信事業者に対し、両社の提供する検索サービスを機器に組み込まないように圧力をかけているという。
MLexのニュースレターによると、KFTCによるGoogleのオフィスへの立ち入り調査は、現地時間28日と29日の2度実施された模様だ。
欧州での調査は、ウェブ検索に関するGoogleの戦術を焦点としている。この分野に関して、Almunia氏の指摘によれば、Googleは検索市場での独占的地位を不当に利用し、検索結果で競合他社のサービスより「Google Maps」などの自社サイトを優先的に表示しているという。同氏はまた、Googleがユーザーレビューサービスなどの他社サイトに掲載されている内容を勝手に収集し、事前の許可を得ずに検索結果に活用している可能性があると述べている。
もし、Googleが、Almunia氏の懸念に対処した譲歩を申し出なければ、欧州委員会はさらなる調査を進めるつもりだ、と同氏は書簡に記している。この調査は、同委員会による異議告知書の発行につながる可能性があり、異議告知書の発行は、同社に対して正式な訴訟を起こすための欧州連合のプロセスとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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