Appleのインダストリアルデザイン担当シニアバイスプレジデントであるJonathan Ive氏は、同社が現在取り組んでいる製品について、それが何かは明かすつもりはないとしながらも、極めて重要なものだと確信していると語った。
Ive氏は、英国時間5月23日にThe Telegraphに掲載された長いインタビューの中で、どのApple製品を同氏の代表作にしたいかは決められないと述べた。同氏はThe Telegraphに対し、Appleの今後の製品展開を把握している立場上、どれか1つのデバイスを選ぶのはそれほど簡単ではないと語っている。
「実に難しい選択だ」と、この日英国でナイトの称号を授与されたIve氏は述べた。「これは、現在我々が取り組んでいるものが最も重要で、これまでの最高傑作のような気がする、という点に帰せられる部分が大きいと思う。したがって、(代表作は)現時点で取り組んでいるものということになるが、もちろん、これについてはお話しできない」
Ive氏が語っている製品が何かをめぐっては、さまざまな憶測が成り立つ。これは以前からうわさがある「iPhone 5」のことだろうか?最新の報道によると、iPhone 5は現行の「iPhone 4S」と差別化をはかるため、ディスプレイの縦幅が広がり、さらにデザインにいくつかの改良が加えられているという。あるいは、大いに待ち望まれているApple製テレビのことだろうか?故Steve Jobs氏はこのテレビについて2011年、ついに解を「みつけた」と話していた。
言うまでもなく、Ive氏はこれまで何度も重要な製品の発表に関わってきた。同氏のデザインに関するアイデアは1996年以来、ほぼすべてのApple製品で不可欠な役割を果たしている。これまでの多くの報道によると、Ive氏はデザインに関してJobs氏の信頼できるパートナーだったという。2011年にはJobs氏自身も、「Jony」(Ive氏)がAppleで果たしてきた唯一無二の役割について認めていた。
Ive氏とJobs氏はデザインに関する見解が似ていた。実際、Ive氏によると、同氏が「引き出しの裏側」と呼ぶ細部に至るまで、あらゆる部分をデザインすることは、Ive氏にとっても、Jobs氏にとってと同じくらい重要なことだという。
「これは『引き出しの裏側もきれいに仕上げる』ということだ。そんなところは決して目にとまらないと言われても仕方ないし、合理的な意味で、これがなぜ重要なのかを説明するのは非常に難しいが、とにかく重要に思えるのだ」と、Ive氏はThe Telegraphに対して語っている。
Ive氏はこの日、インタビューに先立ってナイトの称号を授与され、正式に「Sir」の肩書きと大英帝国勲章第二位(KBE)が贈られた。この勲章は「デザインと企業活動における貢献を表して」Ive氏に授けられたものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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