本来不要なコストや工数の発生を望む、企業や経営者がいるとは思えない。ITの購入に際してベンダー1社への丸投げ、特定のベンダーへの偏りなどが、こうした結果を招いているとしたら見直しが必要だろう。貴重な資金を有効に活用するためにもITを購入する前に必ず読みたい一冊。
ITを新たに購入、あるいは追加で購入する際、投資コストに見合う効率化が本当に実現できるのか、ベンダーが提案するコストは妥当な金額なのか、必要な内容なのか、正確に理解して検討しているだろうか。
「分からない」部分をそのままにしてしまうと、後々のトラブルを生み出すことにもなりかねない。本書ではトラブルを回避するために、注意すべき点や知っておくべき事項をニュートラルな視点で解説している。
著者は、特定のITベンダーを悪者扱いしているわけではない。単独のITベンダーに頼り切ったり、ITベンダーの提案内容をうのみにすると、結果的に企業の望む環境が実現できないことがあると説く。ユーザー企業は、正しい戦略を持って対策を取るべきだ。
本書のようなIT導入指南書は類を見ない。判断基準があいまいなまま高額のIT購入を決断しようとしているのなら、いったん立ち止まってでも読む価値がある。
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