自分は記憶力がないと思っている人は多いだろう。しかし生まれ持った記憶力は、個人で大差がないらしい。そうであるならばなぜ記憶力が良かったり悪かったりするのか。それは記憶するためにさまざまな工夫をしているから記憶力が良くなるのだ。そして覚えておきたい事と、忘れてしまって良い事を上手に区別している。
著者は司法試験受験指導の専門家である。本書では多くの受験生を指導してきた経験に基づき、効果的な勉強法と記憶法について解説している。例えば一度に覚える量を少なくして記憶を積み重ねていく方法や色鉛筆でカラフルにして脳に強い印象が残るようにするといった具合である。
しかし記憶力があれば、簡単に資格試験に合格できるかというとそうではない。「丸暗記」すればいいわけではなく、「覚えたことをいかに生かせるか」が重要なのだ。最終章では覚えた知識や情報を使いこなし、幸せになることを目指して欲しいという著者の願いが感じられる。
著者の経験から司法試験に関する例が多いが、本書で紹介されている記憶の技術は、司法試験以外の資格試験や語学学習、日常的な場面でも役立ちそうだ。記憶することに対する苦手意識を払拭できる。
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