Hewlett-Packard(HP)は、2万5000人程度の人員削減を伴う可能性のある大規模再編を検討中であると報じられているが、人員削減による効果には限界があるとアナリストらは述べる。
Bloombergによると、HPは従業員の8%を解雇する予定であるという。Business Insiderは米国時間5月16日、HPのサービス部門が対象になる可能性があるとした。
いずれにせよ、HPは組織再編と人員削減を実施する見込みである。HPは従業員をレイオフするか、または早期退職優遇措置を提案する可能性があるとBloombergは報じている。
さて、ここでの問題点は何だろうか。
Morgan Stanleyの分析によると、HPの従業員1人あたりの営業利益は競合企業よりも低いという。
例えば、IBMの従業員1人あたりの営業利益は4万9000ドルである。Appleも同額である。EMCは、従業員1人あたり6万7000ドルの営業利益を上げている。
HPはといえば、3万5000ドルである。
成長のペースを急に上げることができないのであれば、HPがこの指標を変えるための唯一の方法は従業員をレイオフすることである。
Morgan StanleyのアナリストであるKaty Huberty氏は最近、ハードウェアベンダーによる従業員1人あたりの営業利益の全体像をまとめた。
HPが実施した事業部門の統合は、利益状況の改善に向けた動きだったが、その効果には限界がある。
しかし、HPにはなすべきことがある。従業員を解雇するだけではだめなのだ。人員削減によって浮いた資金を、より収益性の高い市場に投資する必要がある。Huberty氏は最近の調査メモで、次のように述べた。
改善のためのチャンスはあるものの、再編に向けたHPの道のりは遠そうである。良い知らせとしては、同社最高経営責任者(CEO)であるMeg Whitman氏は、収益性改善に向けて確固たる決意を抱いているようであり、経営陣は既にいくつかの対策を講じている(プリンティング事業とPC事業の統合など)。HPは、組織再編によって従業員1人あたりの利益を競合企業と同レベルにまで改善できる可能性はあると思われるが、その後にはそれによって浮いた資金を、ソフトウェアおよびサービスの売り上げ増加やミックス改善に投資する必要がある。後者による成果が表れるとすれば、2013および2014会計年度になりそうである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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