Facebookは米国時間5月9日、米証券取引委員会(SEC)に提出していた新規株式公開(IPO)申請書類(Form S-1)の一部を修正した。この修正は、モバイル機器を利用するユーザーの増加によって、広告収入に悪影響が及び、長期的に見た収益が脅かされる可能性を強調するためのものだという。
Facebookは以前から、増加するモバイルユーザーに対応した収益モデルを確立できていないという点を明らかにしており、今回のIPO申請書類の修正でこの問題に再び触れたことになる。
同社はこの申請書類の「リスクファクター」セクションに以下の内容を追加している。
われわれは、Facebookにおける1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)の伸びが配信広告数の伸びを上回るという最近の傾向の原因に、モバイル機器を使用してアクセスするユーザーの増加があると考えている。もしもPCではなく、モバイル機器を使用してFacebookにアクセスするユーザーが増加し続け、われわれがそういったモバイルユーザーを視野に入れた適切な収益戦略を履行できない、あるいはそのために著しいコストをかけた場合、われわれの財務実績と、収益を成長させる能力に悪影響が及ぶおそれもある。
モバイル機器を用いてFacebookにアクセスしたユニークユーザーの数は、3月時点で月平均4億8800万人であった。同社はこの月、モバイルユーザーを対象とした収益モデルとして、モバイル機器上のニュースフィードに「Sponsored Stories」を表示し始めている。
このモデルの成否を判断するには時期尚早であり、Facebookは「短期的な財務結果よりも、ユーザーの利用度合い」を重視したいという考えを明らかにしている。つまり、同社はユーザーの携帯電話やタブレットにある種の機能を搭載することについて慎重な姿勢で挑むということだ。
Facebookは9日に付け加えた内容のなかで「DAUの伸びが配信広告数の伸びを上回るという最近の傾向の原因には、製品に関するこういった意思決定の結果として、ある種のページには、1ページ当たりの広告数が少ないということもある」という点を「例」として挙げている。
こういった傾向は、第2四半期の現在でも続いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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