悪い面だけ注目してもろくなことがない--Winny事件から見た社会規範 - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2012年05月01日 18時05分
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日本とアメリカにおける会社作りの敷居の違い


高間剛典氏

 続いて登壇したメタ・アソシエイトの高間剛典氏は、「イノベーションは最終的に製品やサービスに落とし込んで使ってもらうことが大事」として、そのイノベーションを届ける”会社”について語った。

 日本では会社法による会社を作るための敷居が高い上に、製品を作って売れたら銀行からお金を借りてビジネスをする流れが過去にあったが、高間氏は米国のやり方に衝撃を受けたという。

 「2000年にドットコムバブルがあったことはよく知られていますが、それ以前にシリコンバレーではさまざまなバブルがあったんです。そのときの資金調達で、企画書やビジネスプランを書いて、投資家を集めて会社を立ち上げるという流れは衝撃的だったんです。バーン(お金を燃やす)という表現をよくするんですけど、あの会社はバーンして3年やって辞めたみたいな話が多かったし、株式の発行についても日本ではハードルがかなり高かったんです」。

 2006年頃に会社法も変わり、日本でも米国と同じようなところまで会社を作るハードルが下がったとして、「最終的には、いかにイノベーションをみなさんに使っていただくかを考えることが重要です」と述べた。

「出馬してみた」「ニコニコっ会」で影の内閣作りの提案


白田秀彰氏

 法政大学社会学部准教授の白田秀彰氏は、まずライブドア事件とオリンパス事件の対応の差、まねきTV事件とロクラクII事件と通じて、日本ではクラウド型サービスが展開されないとされていたが、「iTunes in Cloud」が認められた出来事を通じて、同じような事件で全く違う対応がなされる「社会の矛盾」を指摘した。

 「同じ条件下で同じ事をしたら、同じように扱われることが法の下の平等であると私は考えます」とし、大きな会社にはコネや経済的影響があるからという理由で何事もできてしまうと、この仕組みだと強い者しか勝てない仕組みになってしまうと危惧する。例えとして「『可愛いは正義』という言葉があるけど、みんながかわいい美少女だったら許されたんじゃないかな。でも容姿の印象や社会的評価で判断が動くのがフェアなのか」と説明した。

  • ライブドア事件とオリンパス事件

  • まねきTV事件とロクラクII事件

  • 法の下の平等と社会の空気について

 そして法の下の平等が世間に定着しない理由として「法学部にいかないと法の教育はしない」、「ルールを作る人がおかしいという以前に、ルールそのものを知らない人が多い」と指摘。さらに社会活動をすると損をする雰囲気があるともした。そして新井氏が指摘した過剰規制社会になっている点を改めて指摘し、「変わったことをやっているとつぶしたいのがある。要は俺が我慢しているからおまえも我慢しろという雰囲気が強い」とした。

 そして日本の未来のための社会規範として「みんなで頑張ろうという意識の向上ではダメ」で、必要なこととしてスライドに赤色の背景で表示されたのは「You! やっちゃいなYo!」。

  • 法の下の平等が世間に定着しない理由

  • 白田氏による過剰規制社会

  • 「You! やっちゃいなYo!」

 白田氏の提案としては、実際には選挙に出馬せず選挙活動はしないものの、選挙のふりをした活動を行ったり画面での投票を行ったりし、「ニコニコっ会」として影の内閣みたいなものを組織。議会っぽいもので現実の問題に突っ込みを入れ中継する。そこでニコニコっ会のほうが優れているという事がわかり、そこから議員団を結成し国会に送り込むところまでいければ、何かが変わるという案を出した。

  • 「出馬してみた」と「ニコニコ選挙速報+α」

  • 「ニコニコっ会」と「ニコニコ議員団」

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