Appleは、同社のデータセンターがクリーンでないエネルギーに依存していると環境保護団体Greenpeaceから批判されたことについて、同社の新しいデータセンターにおける電力消費量に対する同団体の見積もりが高すぎると反論した。
Appleによると、ノースカロライナ州に建築中のこのデータセンターで消費される電力は、最大で約20メガワットになるという。一方、Greenpeaceは100メガワットであると見積もっていた。
Greenpeaceは、AppleやAmazonといった企業のデータセンターが、電力を石炭や「危険な原子力」に依存している地域に建設されているという理由で低い評価を与えている。またこれらの企業は、エネルギー消費に関する情報開示度が低いという理由によりGoogleやYahooといった競合企業よりも評価が低くなっている。
Greenpeaceはレポート公開に先立って、ノースカロライナ州にあるAppleのデータセンターの電力消費量について、Appleによる投資額の大きさと、施設の規模に基づいた見積もりを公開していた。Apple(およびAmazon)は、Greenpeaceに対してその数値が間違っている旨を伝えたものの、正確な数値は明らかにしなかった。
Appleは米国時間4月17日、Data Center Knowledgeのサイト上で声明を発表し、予想電力消費量を初めて明らかにした。また同声明では、ノースカロライナ州メイデンの施設には、太陽光発電装置が備えられ、バイオガス、すなわち埋め立て地やその他の有機物から発生したメタンガスをエネルギー源とする燃料電池セルも設置されると述べられている。
「われわれは業界の先頭を行くこのプロジェクトにより、メイデンのデータセンターが、これまで建設されたどのセンターよりもグリーンなものになると確信している。また、オレゴン州に建設中で2013年に完成予定のデータセンターは、100%再生エネルギーで稼働する予定だ」(Apple)
Appleからの反論に対して、GreenpeaceでIT業界を担当するGary Cook氏は、50万平方フィート(約4万6500平方メートル)もあるAppleのデータセンターの電力消費量が20メガワットしかないことを疑問視しながらも、Appleによる透明性の向上を歓迎すると述べている。
GreenpeaceとAppleとのやり取りからは、環境保護団体とIT企業との間にある、時にはぎくしゃくとした関係が浮かび上がってくる。
GreenpeaceはこれらのIT企業に対して、より多くの再生エネルギーを購入したり、データセンターからの環境フットプリントについての認知度向上キャンペーンの一環として、より効率的でクリーンなエネルギーを促進する政策の立案を議会に働きかけるよう圧力をかけたりしている。
一方、大手のIT企業自身も長年にわたって、データセンターのエネルギー消費量の削減に向けて数多くの対策を実施してきている。たとえばFacebookは、効率的なハードウェアのデザインをオープンソース化しており、Googleは同社のデータセンター近くにある風力発電所に対して投資を行っている。
ノースカロライナ州メイデンにあるAppleのデータセンターは、4.8メガワット相当の電力を燃料電池から得る予定だが、これは米国最大規模のものになると予想されている。太陽光発電装置の発電量は20メガワットになると予測され、これも企業による設置としては非常に規模の大きなものである。
Appleは、同施設で使われる電力の約60%が再生可能エネルギーを利用した施設内の発電装置から得ると見積もっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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