今回の10億ドル規模の買収は、この交渉においてInstagramが力を持っていたこと、そして同社の買収を希望する企業が複数あったことを示している。Instagramは先週、5億ドルの評価額で5000万ドルの資金を調達したばかりだ。FacebookがInstagramに対して評価額の2倍の金額を支払ったことは、Instagramをめぐる争奪戦に巻き込まれた可能性があることを示唆している。Instagramの中心的な取り組みとユーザーベースを利用できた可能性があるほかの企業には、GoogleやApple、Microsoft、米Yahooなどがある。もっとも、Yahooの場合は、組織再編が進行中であることを考えると、大規模な買収を正当化するのは難しかったことだろう。
今回の買収は、シリコンバレーの複数の企業に影響を与えることになるが、良い影響を受ける企業はほとんどないだろう。例えば、次のような企業に影響があるかもしれない。
Twitter。Instagramは写真共有におけるTwitterだった。これら2つのサービスは相性がいい。Instagramはモバイルデバイス向けに作られた。そして、Twitterはいくつかの優れたアプリのおかげで、投稿者と閲覧者の双方にとってモバイルに適したサービスになった。InstagramのCEOであるKevin Systrom氏は「Instagramは消えてしまうわけではない」と述べたが、FacebookとTwitterを平等に扱ってきた同社のこれまでの姿勢は変わる可能性が高い。
Yahoo。Instagramの台頭と同社のFacebookへの編入によって最も大きな打撃を受けるのがYahooだろう。かつて最大の影響力を誇った写真サイトであるYahooの「Flickr」写真共有サービス(あまりの影響力に、Yahooが社内で構築した写真サービスに取って代わった)は、まだモバイルにうまく移行できていない。ファンもいないし、ソーシャルへの原動力もない。
Google。Googleは「Picasa」という強力な写真サービスを擁しているが、写真ユーザーの間での同サービスの位置付けははっきりしない。Picasaは、「Google+」サービスと(双方向に)融合されている。その組み合わせは熱烈な写真愛好家の間では大きな成功を収めているが、モバイル写真共有および閲覧サービスとして見た場合、Googleの存在感は非常に薄い。
Path。Pathは限定的なソーシャルネットワークとしては成功するかもしれない。ただし、その中核機能の1つ、すなわちフィルターをかけた写真を撮影してFacebookで共有する機能は、InstagramとFacebookを組み合わせた製品でも本質的に同じことが可能なため、非常に厳しい立場に追い込まれるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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