著作権を巡ってGoogle傘下のYouTubeを相手取った裁判でViacomに軍配が上がったことが、裁判所の文書から明らかになった。
米連邦巡回控訴裁判所は、YouTubeが同サイトへの著作権を侵害する投稿を故意に見逃していたかどうかの判断を下級裁判所に差し戻した。
今回の判決は、技術企業にとっては痛手である。これは、ウェブサイトを取り締まる責任について好意的な前例を作った下級裁判所の裁定を否定するものである。しかし、米国時間4月5日の判決は、単にYouTubeに対し、同社が同社サイトにおける著作権侵害を事前に認識していた疑いについて下級裁判所で弁論することを求めているにすぎない。
Viacomは2007年、著作権保護された映画やテレビ番組のクリップを違法にアチャネルフィルタップロードすることをユーザーに推奨しているとして、当時Googleに買収されたばかりだったYouTubeを提訴した。約2年前に米連邦地方裁判所の判事が、YouTubeはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー条項の下に保護されるインターネットサービスプロバイダーに相当すると判断した際には、YouTubeが優勢だった。
同裁判所は、YouTubeは、著作権保有者から通知を受ければ直ちに違法コピーの動画を削除していたため、ユーザーによる著作権侵害行為の責任を問われないと判断した。
Viacomは、電子メールなどの文書から、YouTube幹部らが著作権侵害を認識しており、また、問題があると特定されたコンテンツの再投稿を防止できるツールを所有していたにもかかわらず何の措置も取らなかったことは明らかだとし、YouTubeはDMCAの保護対象にあたらないと主張した。
Viacomは声明で、「米連邦巡回控訴裁判所が地方裁判所の判決を無効とし、差し戻したことをうれしく思う」と述べた。「合法的なサービスプロバイダーと、侵害行為によって事業を運営している業者とを区別するための思慮に満ちた方法を提供する、均衡のとれた裁定である」(Viacom)
YouTubeの広報担当者は米CNETに対し、次の声明を送付した。
米連邦巡回控訴裁判所は、長期にわたるDMCAの解釈を支持し、Viacomによる同法律の解釈を却下した。YouTubeに対する全面攻撃という形で始まったViacomによる訴訟で残されている議論は、かなり以前にYouTubeから削除されたほんのわずかな割合の動画に関するもののみとなった。今回の判決によって、YouTubeの運営方法には何の影響も生じない。YouTubeは今後も、世界での表現の自由を支持する、活気にあふれたフォーラムとして運営を続けるつもりだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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