Gill氏の話は耳を傾ける価値がある。Yahooの提訴後にGill氏に話を聞いたとき、同氏は、Facebookが実際に、Yahooの特許ポートフォリオのかなりの部分を即金で購入する可能性があったという主張を展開した。この数10億ドル規模の特許購入は、Facebookにとっては自社に対して特許訴訟を起こす可能性があるほかの企業への対策になると同時に、今までになく絶望的な状況にあるYahooにとっても助けとなるものだった。
言うまでもなく、これは実現していない。しかし、Facebookは3月にIBMから750件の特許を購入している。Gill氏によると、知的財産コミュニティーではこれをYahooとの特許争いを見据えたものだったと考えているという。
想定としてあるのは、これらのIBM特許の多くが、既にYahooとのクロスライセンス契約となっていることだ。Law360は3月後半のニュースレターで、そうした新たに取得された特許の多くはYahooにライセンス許諾されており、Facebookにとっては和解を迫るための非常に有利な交渉材料となるといううわさを報じている。
もしそれが本当なら、この混乱をめぐってYahooとの協議を始める際のFacebookの立場はさらに強くなる。アパートの賃貸契約のように、ライセンス契約はいずれ有効期限を迎える。そして、新しい家主が親切なIBMではなく、不機嫌なMark Zuckerberg氏とそのチームであることをYahooは十分に承知している。
それでも、Gill氏によれば、Yahooの特許ポートフォリオは非常に規模が大きく、強力なため、Facebookが最終的にYahooに料金を支払い、その特許の一部についてライセンスを直接受けるという結果になることも十分にあり得るという。一方のYahooは4月3日、Facebookと交渉しようとしたが実現しなかったことを発表している。
Yahooは声明で、「ほかの大手企業はこうしたテクノロジのライセンスを許諾しており、Facebookも同じようにするか、事業運営の方法を変える必要がある」と述べた。この声明には、同社からFacebook側への接触について、それ以上の情報はない。
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