各社からさまざまな製品が毎月のように発売されるトンデモケータイ、だが数が増えすぎてしまったことから各社は共通の悩みを持ち始めている。それは価格の下落だ。2~3年前なら1万円以上もしていたトンデモケータイの値段も、最近では5000円ですら高いという状況。メーカーが増えすぎた結果価格競争に走るメーカーが次々と出てしまい、もはやトンデモケータイを作っても以前ほど儲からない時代になってしまっているのだ。
まぁこれも、どーでもいいような機能をつけた製品とか、見た目のウケだけを狙ったケータイとかを安易に出し続けてきたトンデモメーカーたちの自己責任でもあるんだろうが、そうは言っても作り続けるのをやめないあたりは利益が少ないとはいえトンデモケータイは儲かるビジネスなんだろう。まぁそのおかげで最近は「誰が使うんだよ、これ!」なんて本当の意味でのトンデモな製品が少しずつ減ってきているのが筆者としては個人的にちょっと寂しいところだ。
この「トンデモ・デフレスパイラル」に陥りつつある状況の中で各社は知恵を搾り出しあっているが、その対策のひとつが高級化路線である。安さや奇抜さを追い求めるのではなく、ちゃんとしっかりした製品を作って高い値段で売ってみよう!と考えるメーカーが少しずつ増えている。とはいえ1万円以上の高価格をつけるのは無理だろうから、ケータイの素材にお金をかけることは難しい。いかに優れたデザインを生み出せるか、そこが勝負のポイントなのだ。
今回紹介するHEDYのREVOは、そんな高級化路線を狙った一品だ。価格はこれで5000円以下に抑えられており、まぁそれ相応の品質ではあるものの、デザインは結構いい感じがするのだ。紙ではなく革箱のようなパッケージデザインもあの超高級ケータイ「VERTU」っぽくて好感が持てるところ。思わず白い手袋をしてパッケージを開けたくなってしまいそうだ。さっそく中身を見てみよう。
本革のようなREVOのパッケージを期待して開けてみると、まずは中敷部分があるのですぐには中身が見えないようになっている。うーん思わせぶりだぞREVOの野郎。こんなところにお金をかけているなんてなかなかやるじゃないかよメーカーのHEDY!ま、種を明かせば中国じゃこれくらいのパッケージの加工はコストにはほとんど影響しないんだけどね、パッケージをあけて、さらに中敷の部分をあける、という一手間を加えるあたりはメーカーもちゃんとわかって作っているのだろう。
そしてその中敷をあけると本体とマニュアルが鎮座している。マニュアルの表紙もブラック&ホワイトに赤と緑のラインが入っており、紙質がトンデモクオリティーのため湿気で丸まっちゃっているものの、こうして綺麗に並んで入っている姿は美しさを十分感じることができるんじゃないだろうか?おそらく工場出荷時は紙もピシッと伸びていてHEDYの社長さんも「うんうん、美しい」と絶賛していたに違いない。
マニュアルの下にはACアダプタやケーブル、ヘッドセットが入っているが、こちらはビニール袋に入ってはいなかった。実はクッション代わりのビニールが1枚入っていたのだが、これらのアクセサリも美しく見えるよう入れようとしたのかもしれない。だったらここにも仕切りなどをつければよさそうだが、ま、アクセサリよりも本体をしっかり見てあげるべきだろう。なおコネクタの形状は例によって独自仕様。そろそろmicroUSBあたりにしてもよさそうなんだけどねぇ。
さて、REVO本体のほうはキーパッドのない美しい形状をしている。パッケージ内に本体が綺麗に収められているのだが、それを取り出す前に本体のすぐ横を見てみよう。なにやら銀色の丸い形状のものが入っている。って、これ、指輪ですか!?しっかりと「REVO」の刻印もしてあるあたりは真剣に付属品として入れているようだ。こんなものを付属させてくるあたり、メーカー側のREVOに対する愛着や自信が感じ取れるような気がしてならない。
でもおそらくREVOというかトンデモケータイを買ったお客さんってのは大抵がその場でパッケージごと捨ててしまうため、こんな指輪に気が付く人はほとんどいないんだろうねぇ。それじゃーちょっと悲しいので、筆者はこのレビューを書いている間だけでも、あえてこの指輪をはめておこうと思う。
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