トンデモケータイの勢いは中国を超えて世界中に広がっている。欧米でも最近は見たことも聞いたこともないような無名メーカーの格安なケータイが売られていることが増えているが、ほとんどが中国製のトンデモケータイの仲間だ。今じゃトンデモケータイは音楽やビデオ、アナログTVが楽しめるだけではなく、内蔵のブラウザでFacebookやTwitterができる機種まで出てきている。
まぁ使い勝手はイマイチだけど、それらの機能はたまにしか使わないよ、って人には値段が激安なトンデモケータイは魅力的な製品に見えるのだろう。それに今まで通話とメッセージくらいしか使わなかった人が、いきなりスマートフォンを買うってのも敷居が高いかもしれない。タッチパネルだけど機能はそこそこ、あるいはテンキーの普通のケータイだけどマルチメディアやネットも楽しめるよ、なんて製品の需要はまだまだあるのだ。
トンデモメーカー側もそんな動きを察してあれやこれやと機能を搭載した、さらにスペックの高い製品も市場に投入している。だがそうなると今度は大手メーカーのまともな製品と価格で競合してしまうため見向きもされなくなってしまうようだ。トンデモケータイの最大の特徴は価格の安さ。安いけど機能がある、安いけど使いやすい、そして安くて何かヘン。常に「安さ」と戦っているのがトンデモメーカーたちの苦悩なのだ。
では安いだけのケータイでトンデモメーカーたちは我慢しているのだろうか。そこは腕の見せ所で、トンデモケータイそのものは安いロースペック品だけど、アクセサリをつけたらいきなり高機能になっちゃうよっ!そんな製品を開発しているメーカーがいくつもあるのだ。今回はそんなトンデモケータイをタイで発見したのでご紹介しよう。
タイで見つけたこの商品、メーカー名はMXNEC。日本人的にはちょっと悩ましげな名前ではあるものの、現地ではアイドルタレントを使ってプロモーションを行っているちゃんとしたメーカーのようだ。もちろん製品はメイド・イン・チャイナ。このように海外で見かける無名メーカーのケータイは中国製のものばかりなのだ。中国ではトンデモ扱いでも、海外ではきちんと売っているケースも多く、また中国内では競争が激しいため海外に活路を求めるトンデモメーカーも増えている。
今回買ったMXNECのE701@はパッケージを見てわかるようにゲーム機能を売りにしたケータイのようである。でもパッケージ写真を見る限りではフツーのストレートなケータイだ。やや大き目のディスプレイの中でゲームが動いているものの、トンデモケータイに慣れた目からすると「どうせウソでしょ」と思えちゃう。だってそもそも数字キーを使って高度なゲームなんて操作大変だし。まぁこのあたりは期待しないほうがいいのかな。
パッケージを開けてみるとそこに入っているのは確かにフツーのケータイだ。ビニール袋に入って乱雑に押し込まれた姿は、やっぱりどう見てもフツーのケータイ。てかこの程度のケータイ、最近の中国じゃショーケースの中に裸のまま詰まれて売られていることもあるくらいだ。特長のないケータイだからパッケージだけでも派手にしよう、そんな意図が隠されているのかもしれない。
E701@を取り出してよーく見てみると、実はフツーのケータイとはちょっと違うことに気がつく。まずディスプレイの上、左右にはボタンがあって、これってもしかしたらゲームをやるときの左右ボタン、ABボタンになるんじゃないだろうか。そして数字キー部分を見るとなにやらゲームコントローラのマークも見える。むむ、やはりE701@はゲームに特化したケータイなんだろうか?
さらにパッケージの中を見てみると、ナント本体のすぐ下に怪しげなアクセサリが入っているではないか!パッケージにもちらっと写っていたんだけど、そう、外付けのゲームパッドが付属しているんですよこのE701@には。なるほど、フツーのケータイと見せかけておいて、ゲームしたいときはこれを本体につけちゃおうってことなのね。なかなかやるじゃねーかE701@、どこにでもあるフツーのケータイなんて言ってすまなかった!
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