HTC NIPPONは3月27日、都内で会見を開き、2月26日にスペインで開催された「Mobile World Congress」(MWC 2012)で発表された、新たなスマートフォンブランド「HTC One」シリーズの3製品「HTC One X」「HTC One S」「HTC One V」を披露した。
世界での発売時期は4月初旬を予定しているが、日本での発売は未定だという。なお、HTCは日本市場向けにカスタマイズしたスマートフォンを開発することでKDDIと合意している。
HTC One Xは、丈夫さと軽さを兼ね備えたポリカーボネートを採用し、光沢感のあるピアノ調仕上げとツヤ消しを組み合わせたデザインが特徴のスマートフォン。4.7インチのディスプレイにはCorning社製のGorilla Glassを採用している。1.5GHzのクアッドコアCPU「Tegra3」を内蔵し、LTEモデルも用意した。
HTC One Sは、4.3インチのディスプレイを搭載したスマートフォン。こちらもGorilla Glassを採用している。薄さ7.9mmのボディには、人工衛星にも使われている表面処理「MicroArcOxidation(MAO)」でウルトラマットブラックのセラミック加工を施している。HTC One Vは、「HTC Legend」のデザインを踏襲したスマートフォン。シンプルで象徴的なアルミのユニボディを採用している。
3機種ともに、OSにAndroid 4.0を採用し、HTC独自の最新UI「HTC Sense 4.0」を搭載。また、高性能のカメラ機能「Amazing Camera」と、リアルな音と追求したオーディオ機能「Authentic Sound」を搭載している。
HTC Oneシリーズに搭載されるカメラでは、0.7秒の高速撮影が可能なほか、シャッターボタンを押し続けるだけで連写もできる。また、ローライトや光のない環境、逆光時などの悪条件でのパフォーマンスを向上。HTC One XとHTC One Sでは、F値2.0レンズを採用し、他社のF値2.4を採用するモデルと比べて、40%以上の明るさを実現しているという。
HTCで最高製品責任者(Chief Product Officer)を務める小寺康司氏は、2011年にはFacebook上に約450億のモバイルフォトがアップロードされたと語り、「スマートフォンでは液晶が大きくなるほど、写真を撮って友達とシェアするような使い方がどんどん増えている。そこに中心を持っていかないといけない」と説明する。
またVideo Pic機能により、写真と動画を同時に撮影することもできる。HD動画を撮影しながら、シャッターボタンをタップするだけで写真を撮影できるほか、過去に録画した動画からフォトフレームを作ることもできる。さらに、HTC Sense 4.0ではストレージサービス「Dropbox」をプリインストール。HTC One利用者は、25Gバイトのオンラインストレージを2年間無料で使用できる。
「写真を撮ったらその場ですぐDropboxにバックアップされる。どこかへ旅行している最中に電話をなくしてしまっても、撮った写真は(クラウド上に)永遠に残る」(小寺氏)
オーディオ機能は、ヘッドホンブランド「Beats Audio」のサウンド技術に対応しており、臨場感のある音楽を楽しめる。またHTC Sync Managerを内蔵しており、PCに接続するだけで、ミュージックライブラリ上の音楽やアーティスト情報、プレイリストを転送できる。別売りの「HTC Car Stereo Clip」を使用すれば、車内などでも高品質な音楽を楽しめるという。
HTC Oneシリーズの日本展開については語られなかったが、HTC NIPPON代表取締役社長の村井良二氏が、日本のスマートフォン市場について言及した。
村井氏は、2011年はイノベーター層を中心にスマートフォンが使われていたと話し、2012年から2013年かけて、フィーチャーフォンユーザーのスマートフォンへの移行が進むと説明。「これまでの商品作りの考え方から脱皮しなければならない」と語る。
今後は、一般消費者にリーチしていく必要があるとし、ハイスペックばかりを求めるのではなく、より顧客の使いやすさを重視していくとした。「じわじわと広がってもいいので、クチコミでHTCのスマートフォンって使いやすいよね、と言われることが理想。(使いやすさを)我々の競争軸の一番優位な軸として持っていきたい」(村井氏)
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